エクステリアの基礎知識

都心に立地するライフアップのお客様の場合、住宅密集地のため庭がどうしても「日陰」になる場合が多いのではないでしょうか。その場合日陰に強い植物とマテリアル類を組み合わせたシェードガーデンの手法を取ることが多くなりがちなのではないでしょうか。

本来のシェードガーデンはイギリスやフランスの広い庭に大きな木を植えて「半日陰」をあえて作って花を育てることです。副産物としてその木陰で花を愛でつつ紅茶や昼食を優雅に楽しむわけです。

しかしながら現在の日本の場合敷地条件上、「日陰でも育つ」植物を植えるという意味合いになっています。日本では家と家が隣接しているのが当たり前で、庭があっても建物と建物の間で、「日当たりがいい」とは限らないわけです。

また日当たりの悪い空間というのは通常「犬走」としての機能も有している場合が多く「歩く」ことを前提にプランニングをする必要が出てくる場合も多いのではないでしょうか。

隣地と面した限られた空間をガーデニング空間として利用する場合このように「動線」を意識したプランニングと、「日陰」「半日陰」を好む植物の選定、及び建物壁面等周りのイメージと合わせたマテリアル類での「通路作り」といったものが、プランニングのポイントになってきます。
今日陰でとりあえず「砂利敷」にしているけれど、意外と空間があって、そのままにしているよりはなにかアレンジを。。。という場合このシェードガーデンの考え方を取り入れてガーデニング空間を確保するのも1つの手法ではないでしょうか。

アジュガ

半日陰にも強い宿根草です。アジアの温帯から熱帯にかけて約40種類が分布するシソ科の草花です。常緑の多年草で冬にも葉は枯れずに残り、春に花を咲かせます。

よく栽培されるのは、ヨーロッパ原産のアジュガ・レプタンスです。茎を伸ばさず、葉は地面に近い位置で放射状に生えます。地面を這うように伸びます。その性質を活かして、グラウンドカバーとして広く利用されています。

葉は霜が降りる頃、赤紫色に色づきます。主な開花期は4月~5月で真っ直ぐ直立した花茎の周りに小花をたくさん咲かせます。花色は青紫が基本ですが、ピンクや白もあります。 広い範囲に広がって春には賑やかに花を楽しませてくれるので、どちらかというと地植えに向いた植物と言えます。

ギボウシ

日陰の庭では定番の植物です。東アジアにおよそ20種~40種が分布する、毎年花を咲かせる多年草です。分布の中心は日本で、多くの種があります。日本では古くから観賞用に庭などに植えられていました。ギボウシはつぼみの姿が橋の柱の先端についている擬宝珠(ぎぼし)に似ているところからつ けられた名前です。海外(アメリカなど)では属名のホスタの名で呼ばれますが、日本でもこの名前で呼ばれることが多くなりました。

アメリカでは非常に人気の高い植物で、アメリカホスタ協会では毎年、優れた品種に「ホスタ・オブ・ザ・イヤー」が与えられています。庭が広いのか、大型種に人気があるようです。協会というと、日本には日本ぎぼうし協会があります。

種の数に開きがあるのは、ギボウシは違う種同士で雑種を作りやすくて変種や栽培品種も非常に多く、同種とされていた ものが別種に分離されたり、その逆が あったりと常に再分類が行われているからです。また、ギボウシの分類や系統分けはそれだけで1冊の本になるくらい複雑多岐です。

2022/09/24

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