常緑樹のシンボルツリーで長く安定した人気を持っている「ソヨゴ」について述べます。
「ソヨゴ」はモチノキ科、モチノキ属の常緑小高木です。つまり、クロガネモチやモチノキの仲間ということです。でも、最近モチ類の樹木は、あまり庭に植えなくなりました。これに対して「ソヨゴ」の人気はむしろアップしています。何故でしょうか。
理由は明確で、他のモチノキの仲間は、樹形が重いが「ソヨゴ」は比較的スッキリしているからです。
それでは、少し「ソヨゴ」の特性について、説明しておきます。
まず葉ですが、長めの葉柄がある、玉子状の楕円形、表面は深い緑でつやがある、裏は少し色が薄く中筋が目立つ、縁が少し波打っている、といった特徴を持っています。
「ソヨゴ」は雌雄異株。雌花は葉の脇に単独で咲きます。これに対して雄花は数個まとまって咲きます。いずれも白の小花で5月~6月に咲きます。ただ、残念ながら特筆すべき存在ではありません。
秋になる実も、比較的長い柄の下に着き、7mm程で熟すと赤くなります。他の、モチノキの仲間と異なるのが、この葉と花と実の柄の長さで、スッキリ感の大きな要因にもなっています。
「ソヨゴ」は東北南部以西に広く自生しており、庭木にしても、育ちやすい環境下にあります。にもかかわらず、前記の通り小高木で成長が比較的遅く、その分樹形もあまり乱れません。この面も、人気の高い要因といえるでしょう。
「ソヨゴ」の名の意味は「風に葉がそよぐ木」ということで、名前でも得をしているのではないでしょうか?
2022/09/26
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