ご高齢の方やハンデキャップをお持ちの方とも、いっしょに楽しめるガーデンライフについて、考えていきたいと思います。
このようなテーマを掲げると、すぐ「バリアフリー」(障害を取り除く)という言葉が、耳に浮かびます。しかし、ガーデンの場合は、庭にスロープや手すりを付けた「バリアフリータイプ」にすると言う事も大切ですが、それだけでは消極的対応で、「レイズドベッド」と言うもう一方の発想を持つことを忘れてはなりません。
「バリアフリー」はマイナス面をカバーし暮らしやすくするためのものです。一方、「レイズドベッド」を基本とした一連の発想は、積極的にガーデンライフを楽しむためのものです。
今回の「ご高齢の方、ハンデをお持ちの方も楽しめるガーデン編」は、商品や具体的方法だけでなく、少し理屈っぽい一面が付きまといます。しかし、それでも社会・家族が一丸となり取り組むべきテーマで「レイズドベッド」とは、一段高い位置にを造り、作業を楽にした花壇のことです。そして、ご家庭でもこの発想を取り入れることが、皆が楽に、そしてご高齢の方ともいっしょにガーデンライフを楽しむ大きなポイントです。
ただ、簡単に「レイズドベッド」タイプの花壇を造ると言っても、クリアすべき課題は結構あります。今回はその基本的ポイントを示す前に、より手軽なに「レイズドベッド」の良さを体験していただく方法を提示しておきます。
それは、庭に大き目のテーブル(既存品でもOK)を造り、一部を作業用の台、他の部分にプランターなどを置き「腰高の位置に有るコンテナガーデン」として使っていただくと言う方法です。
これなら、持ち合わせのテーブルを利用することも、既存品を購入することも、あるいは専門店に簡単に造ってもらうことも出来ます。
ただ、使い勝手を考えると、高さ70センチ、奥行きも同程度で、長さは出来るだけ長め・・・といった形状のほうが良いでしょう(それほど堅苦しく考える必要はありませんが)。もちろん、少なくとも作業台の部分には椅子が入るようになっているほうが好都合です。
そして、もう2つ忘れてはならない大切な項目があります。①水を流しても良い②できれば立水栓から近く簡単に水やりが出来る・・・ところに設置すると言うことです。
ただ、コンテナではなく、花壇に草花を植えて育てたいと思われる方も、多数おられることと思います。
まず、ベースとなる台の部分ですが、公的な場所ではレンガ等で造るケースが多く、ご家庭においても良い方法の1つです。ただ、注意すべきは足元が凹型に引っ込んでおり、つま先が入るようにしておくことが絶対条件となります。わずかなことですが、つま先が入るスペースが無いと、極端に作業がしにくくなるからです。また、部分的に椅子が入るようなくりぬいた部分が出来れば、座って作業(場合によっては車椅子)が出来るのでベター。
ただ、これらの条件を満たしたレンガ積みは、それほど簡単ではありません。お客様自身が職人経験を持つなど、よほどの技術の持ち主で無い限り、必ず専門店に依頼してください。しかも、上記の基本条件を再確認することも忘れないで下さい。
排水設備をすれば良いのですが、なにしろ庭のこと。そこまで考えなくても水を垂れ流しても支障がなければそれでかまいません。