「レッドウッド」について述べます。
前項の「ウエスタンレッドシーダー」と名前は似ていますが、まったく別の物です。
実は、「レッドウッド」は産地のアメリカでも生産量が少なく、日本にはごくわずかしか入ってきていません。従って、専門家でもその存在を知らない人が大半です。
しかし、この木はエクステリア材としてに最高に近い品質と、ロマンを秘めています。
「レッドウッド」は「セコイア」類に属する、いわゆる「生きた化石」です。
「セコイア」とは、北半球で算出する石炭の主原料です。つまり、何億年も前の地球の主役であった木、ということです。しかし、既に大半は絶滅しました。しかし、中国と北米大陸の一部で生残りました。
中国で生き残ったのが、学校や公園で堂々とした大木に育ち、私たちの心を引きつける「メタセコイア」です。
そして、アメリカで生き残った「セコイア」の一つが「レッドウッド」であるわけです。
「レッドウッド」は「生きた化石」であるだけで、ロマンがあると言うのではありません。もう一つの理由は、インディアンたちが「神ノ木」とあがめていたからです。
なぜなら、高さ100m、周囲15mを超える世界屈指の大木になること。しかも、樹脂に「タンニン」を多く含み、その浄化作用で下草や小鳥が済みにくく、巨木が林立していながら、他にはない「静寂の森」を創り出したからです。
さらに、倒木は1,000年経っても腐らず、横たわり続けます。そこに彼等は「生命への畏敬」を感じたに違いありません。
何となく、日本の「屋久杉」に似た、神聖さを感じずにはいられません。「レッドウッド」の神秘性、ロマンについてお分かりいただけたでしょうか。
もちろん、その魅力は精神的なものだけではありません。以下のような、素晴らしい特性を持っています。
A:比較的腐りにくく耐久性を持つ。
B:材質が軽くて柔らかく、加工がしやすい。
C:そり、ひねり、ひび割れが少ない。
D:燃えにくく、防火性に優れている。
E:計画栽培されており、森林伐採による自然破壊がない。
以上です。
A:に関しては、次項で紹介する「アイアンウッド類」に匹敵する耐久性を持っています。これは、2つの要因によります。1つは、樹脂にタンニン(ポリフェノール)が大量に含まれている、2つ目は、色が赤くて腐りにくい芯材の部分が多く、白くて腐りやすい側材を使う必要が無い・・・と言うことです。
B:に関しては「レッドウッド」にしか無い特質です。これだけ柔らかくて腐りにくい木材は、現在のところ他に見つかっていません。
C:に関しても、エクステリア材として使う場合は、大きなプラスとなります。屋外使用の場合い、木材は住宅用として屋内で使うより、はるかにヒビが入ったり、そったりしやすくなるからです。
D:についても、火災に強いと言うことで、素晴らしい特質です。アメリカの一部では、防火地区の建物の屋上使用が唯一認められているほどです。
E:に関しても、地球温暖化問題がクローズアップされている現在、自然破壊の無い材料を使うことは、極めて重要なポイントです。
では、欠陥は無いのでしょうか。
強いて上げれば、価格が少し高くて「高級材」の扱いになる。タンニンが強いため、樹脂が流れ出て周囲を汚す場合がある、という点です。ただ、それも使い方を考えれば解決できる課題で、「レッドウッド」の魅力をなくしてしまうことには、ならないでしょう。