今回からは、「外構」のデザイン分類、6:「新和風」について検討したいと思います。
結論から言えば「新和風」は、「外構」にとっても、住宅本体にとっても、最も可能性の大きな分野だと考えています。
なぜなら、デザインはどうあれ、殆どの日本人の場合は「和」の要素を盛り込んだ住宅にしか済めないからです。
例えば、輸入住宅であっても、土足で生活する形式のまま建てられたものはありません。全て、床を儲け靴を脱いで上がるタイプにへ変更されています。
また、洋式のダイニングリビングで、フローリングの床であっても、ソファに腰掛けたままくつろいだり、テレビを見るのが常識ですが、実際には絨毯に寝そべったり、電気カーペットやコタツを置き、座って時間を過ごす人が少なくありません。
となれば、機能、デザイン共に、新しい感覚で「和」のテイストを取り込むべきでしょう。
事実、「新和風」と言う感覚で、住宅や「外構」を見直す傾向が強まってきています。ただ、それは機能的には「和洋折衷」であっても、デザイン的には「洋」と「和」の中間的なものとは異なっています。
「新和風」の「外構」は非常に大きな可能性を秘めている、と述べました。
洋風のスタイルと、「和」の生活習慣が合体した形、それが現在の住宅の姿であるからです。つまり、現代の家は、本質的に「新和風」の考え方で作られている・・・と考えても良いのではないでしょうか。
このような新しい「和」の考え方を、デザインにも活かしたのが「新和風外構」です。
既存の住宅であっても、新築であっても、「新和風」に合わないものもあります。しかし、以外にマッチする物が多いこともまた事実です。
例えば、「和風住宅」はもちろん、少し古い「和洋折衷」タイプの家、最近流行の「シンプルモダン」の家に対しても、工夫次第で「新和風外構」とマッチさせることは可能です。
ただし、典型的なアメリカンスタイル、南欧風住宅、などについてはやはり無理があります。このような場合は、全体ではなく、一部の空間を「新和風」の考え方で演出する、と言う方式を取るべきでしょう。
新和風外構」の特色として、以下のようなことを上げることができます。
①「シンプルモダン」系のデザインを、「和」に取り入れたものが多い。
②植木は、洋風の「雑木」主体だが、周辺の演出で「和」の感覚を出している。
③セミオープンタイプの構成で、「和」の固定観念を破ったデザインが多い。
①に関しては、最近非常に目立つようになりました。
同じ「モダン」感覚のシャープなラインでも、一部に格子を使う、小物・照明を和風にする、などの工夫で、洋風以上にハイセンスに纏め上げることが出来ます。不思議といえば不思議です。
②に関しては、シンボルツリーなどは、人気の落葉樹など、殆ど洋風と同じ「雑木」を使うことが多くなっています。ただ、一部に竹を配置したり、簡素な灯篭や庭石を配置するなど、ここでもちょっとした演出で、おしゃれな「和」の感覚出すことが出来ます。
③に関しては、有る意味画期的なことです。「和風」の庭は、これまで全て高い塀に囲まれたプライベートガーデンとして造られてきました。
しかし「新和風」の場合は、このセオリーさえも覆しました。あえて道路から丸見えの和風ガーデン、それが「新和風」の特色でもあります。
さあ、お客様と、専門店のスタッフが知恵を出し合い、「新和風外構」にチャレンジ・・・