エクステリアの基礎知識

過去の「アプローチ」基準。それは、言い換えればデザイン優先の基準でした。主なものは、①:幅の基本は約90㎝ ②:玄関の正面から門の位置をはずし長めに ③:曲線、視線をさえぎる(植栽など)工夫等で遠近感を出す・・・と言ったものでした。

これに比較し現代の「アプローチ」基準を提示するとすれば、①:幅は110㎝(車椅子対応)以上 ②:出来るだけ短く直線的に ③:かつお洒落でハイセンスに・・・と言ったことになるでしょう。

両者を比較すると、考え方に大きな差があることは歴然としています。ただ、実際の現場(物件)で考えると、古い「アプローチ」の考え方を持ち込もうとしても、かなり困難であることの方が多いことに気が付きます。全体の敷地が狭くなっている上、例え敷地が広くても、門から玄関までの距離が短くなっているからです。理由は、前面に「カースペース」(場合によっては+α)を広く取り、クローズスタイルであっても、門・塀の位置を玄関に近いところまでセットバックすることが多いからです。

従って、最新のプランでは、A:「カースペース」関連の空間を広めに取り B:門廻りは比較的建物近くに作り C:「アプローチ」は広く短めにし D: ただし目隠しや植栽で機能・デザイン的な工夫を行う・・・と言った処理が主流となっています。勿論、敷地が狭い場合やオープン系のスタイルの場合は、「カースペース」と「アプローチ」が一体化していることも珍しくありません。

さらに、「門廻り」「アプローチ」の補足事項として、歩きやすく滑りにくい土間処理、広めの門周りプラン、階段は低めの蹴上げ(段の高さ)+広めのステップ+広めの幅、出来れば手摺の設置、などを上げることができます。

このように現代の「門廻り」「アプローチ」のポイントをチェックしていくと、プラン作成段階でどれだけ意識しているかは別として、バリアフリー対応と言う点がベースとなっていることが分かります。なぜなら、現代の「門廻り」「アプローチ」(あるいはエクステリアプラン自体)は中・高齢の方、ハンデを持った方でも安全で歩きやすい、場合によっては車椅子にも対応できるか、対応型へ簡単にリフォームできる必要であるからです。

バリアフリーを意識したアプローチ

2022/09/24

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