「デッキ」「テラス」と言う、家屋に接したガーデンのメインスペースについて言及しました。続いて、家屋に接していないタイプの、ガーデンのメイン空間について考えて見たいと思います。なお、このような空間に対しては結構よく作られるにもかかわらず、適切な名称がありません。そこで、筆者の場合は「デッキ」「テラス」なども含め「ガーデンステージ」(家屋に接している場合は「隣接型ガーデンステージ」、家屋と接していない場合は「独立型ガーデンステージ」)と呼んでいます。
「独立型ガーデンステージ」を作るには、ある程度広い敷地を必要とします。ただ、塀などの壁面を活用すればスペースと経費の節減に繋がります。ガーデンにそんな空間があればと夢を抱いておられる場合は、狭くて無理と諦めないで、一度専門ショップに相談してみてください。
「独立型ガーデンステージ」の場合も、床面は「デッキ仕様」と「テラス仕様」があります。選択基準は「隣接型ガーデンステージ」とほぼ同じ。従って、使用目的に応じてどちらが適切か選んでください。ただ、隣接型以上に自然条件が過酷になるため「デッキ仕様」にする場合は、ある程度の補修・メンテナンスが必要と考えましょう。従って、「テラス仕様」の方が施工比率が高くなっています。
「隣接型ガーデンステージ」と「独立型ガーデンステージ」の最も大きな相違は、独立型の方がより機能性を求められると言うこと。家屋内の機能を隣接型以上に活用しにくくなるからです。また、用途は、屋外パーティー(飲食・喫茶+α)、くつろぎの空間、ガーデニングの基点、その他の趣味の空間、など多種多様。ただ、隣接型よりも物干し・通路などの実用性を求めるより、ガーデンライフを楽しむための頻度が高くなります。
従って、「独立型ガーデンステージ」のプランを作成する場合は、隣接型以上に目的を明確にしてください。同時に、必要機能をより重視しましょう。例えば、バーベキュー炉・ピザ釜を基点としてプランを考える時は、ついそれだけに目が奪われてしまいます。しかし、バーベキュー炉・ピザ釜だけがあっても、周辺機能が無ければ殆ど役に立ちません。
現実に、奮発しバーベキュー炉やピザ釜をガーデンに設置しても、多くが設置当初に使われただけで放置されています。そして、その最大の原因が周辺機能不足にあります。準備・あとかたずけに労力がかかりすぎるばかりか、参加者全員でそれを行うことが困難になるから。つまり、奥様だけが被害者となり、逆鱗?に触れることになるからです。勿論、せっかく苦労して作った料理も、くつろいで楽しむ設備が無ければ、価値が半減してしまいます。
「独立型ガーデンステージ」には多くの夢があります。また、それを作る充分な価値があります。その価値を引き出すための条件を、もう少し具体的に追求していきましょう。
石張とベンチのある独立型ガーデンステージ