エクステリアの基礎知識

この項からは「フォーカルポイント(focal point)」について検証します。「フォーカル」とは「フォーカス」の形容詞で「焦点の」と言う意味。つまり、「フォーカルポイント」とは「焦点のある場所」、意訳すれば「最も大切な場所」と言うことでしょう。この言葉は「集団社会がある出来事に対して、どのような動きを行うかを予測。そして、最適の手を打つ」と言う意味の経済用語として広く知られています。また、ガーデンの世界では「視線が集まる最も大切な場所。その大切な部分の演出」と言った意味でよく使われます。

では、住宅のガーデンでは、どのような場所が「フォーカルポイント」となるでしょうか? プライベートガーデンであれば、掃き出し窓前の最も良く見える所、坪庭など意識的な演出場所、ガーデンステージ内・周辺のこだわり部分、中庭の中心部、等。フロンとガーデンであれば、門廻り、塀廻りの意識的演出部分、外部から良く見えるガーデンの基点、等。

それでは、まずプライベートガーデンの「フォーカルポイント」作りから考えて行きましょう。この場合、主力対象者は家族。従って、美しく仕上げるだけではなく、個性、こだわり、等も大切にしたいものです。そして現代住宅の場合い、最も多く「フォーカルポイント」としての演出が行われるのが、掃き出し窓の正面(濡れ縁、デッキ、ガーデンルーム前、の場合いも)。

同時に、このような場合は、目隠しのための塀・フェンスが設置されているのが一般的です。また、目隠しがない場合は、その設置とセットで「フォーカルポイント」プランを作成することが大切。外部からの視線にさらされていては、落ち着いて生活することも、自慢の「フォーカルポイント」をじっくり観賞することもできないからです。また、目隠しがあっても、スタンダードブロックのように美観に問題があることも珍しくありません。

従って、A:目隠し自体を新設or取り替える B:目隠し(塀・フェンス)の内側を化粧しなおす C:目隠し自体を触る必要はない・・・と言う3つのパターンのどのケースであるか確認してください。そして、C:の場合はDIYで「フォーカルポイント」を演出する場合も多いが、A・Bの場合はエクステリア専門ショップとの共同作業となることが大半です。だからこそ、「フォーカルポイント」作りを専門店にセットで発注するか、自分で行うかは別として、目隠し作りの段階でそれを想定しプラン作成を行うことが大切です。

よく、デッキ前が気になり目隠しを設置したが、植物や草花も植えることも出来ず悔いが残ると言った話を耳にします。逆に、敷地が広く道路沿いに目隠しを設置したが、距離がありすぎその前を「フォーカルポイント」にすることが困難。こんなケースも・・・

植栽を使ったフォーカルポイント

自然石と樹木のフォーカルポイント

ガーデンステージに樹木のフォーカルポイント

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