日陰でも良く育つ樹木のラストには「センリョウ」と「マンリョウ」を取り上げます。お金持ちになれそうな名前で、めでたい木として取り上げられ、お正月などに良く飾られることはご承知の通り。
「センリョウ(千両)」はセンリョウ科、センリョウ属の小低木です。一方、「マンリョウ(万両)」は、ヤブコウジ科、ヤブコウジ属の常緑小高木で、系統がまったく異なる樹木です。
しかし、両方とも樹高1m以下の小さな木で、関東地方より西・南部に広く分布しており、森林の下で育ち日陰に強いと言う特色を持っています。従って、庭木・鉢植えとしては同系統の扱いをされることが多いようです。
「センリョウ」は、楕円形で縁が鋸状になった、光沢のある葉を持っています。花は7月~8月に咲き、小さく黄緑色です。目立つものではないが、原始的な特性を持っており、被子植物の原点に近い種類であるといわれています。
実は10月頃に熟し、冬中楽しむことが出来ます。数は「マンリョウ」よりも少ないのですが、葉の頂部にしかも上向きに着くため、良く目立ちます。
一方、「マンリョウ」の葉は細長くつやがあり、縁が柔らかに波打っています。花は7月頃咲き、柄が長く下向きに付くのが特徴。このため、実も下向きに垂れ下がります。赤く熟すのはやはり10月頃で、2月頃まで楽しむことが出来ます。
「マンリョウ」は、根元から新しい幹を出すのが特徴で、殆どが株立ちとなります。また、同属に「ヤブコウジ」があり、非常によく似ていますが、こちらは成木でも10cmほどで、すぐ区別が付きます。
「センリョウ」「マンリョウ」とも育てやすい植物です。お正月の飾り物にも適していますが、ぜひ庭木としても役立ててください。ただし、ごく小さな木ですので、サイズに合った使い方を心がけましょう・・・