オリーブは本来農業用の樹木。当然のことながら、収穫の楽しさをプラスしてこそその真価が発揮されます。でも、一向に実がならないという話も・・・
オリーブは、モクセイ科、オリーブ属、の常緑高木です。オリーブと言えばスペイン、イタリアなど地中海イメージの強い樹木で、やはり原産地も同エリアです。日本でも農業用、庭木などの観賞用等、広く普及しておりご存知の方も多いでしょう。葉が硬くて細長く個性的で見分け方も容易です。日本には1910年ごろに入ってきており、小豆島で栽培に成功し、現在もオリーブの島として発展していることは有名。ただし、あまり知られていない特性もあり、そこからの失敗も。そこで、シンボルツリー他の庭木として、よりオリーブを楽しむポイントを以下に提示しておきます。
第1のポイントは、単にオリーブと言っても極めて品種が多いということ。大半が園芸種ですが、一説によると1,000種を超えるとも。日本にも60種以上が入ってきています。従って、樹形を楽しむだけなら問題はありませんが、収穫も期待するのであれば、オリーブなら何でもよいというわけにはいきません。
ミッション、ネバディ・ブロンコ、マンザ二ロの3系統が特に有名ですが、それよりもどのような実を収穫するかを明確にする必要があります。なぜなら、油分が少なく食用とするタイプ、油分が多くオリーブオイルを採取するためのタイプ、中間タイプ、の3系統があるからです。庭木の場合は、オイルを採取することはまず無いため、当然油分の少ない品種を選ぶべきでしょう。
第2のポイントは、オリーブは自家受粉率が低い樹木であるということ。従って、近くにオリーブが見当たらない場合は、異なった品種を2本以上植えるようにしてください。最も、最近は自家受粉率の高い品種も開発されているとのこと。1本しか植えない場合は、そのような品種を探すのも1つの方法でしょう。
オリーブはさまざまな伝説、地中海のロマン、育てやすさ、個性的な樹形、など極めて魅力的な観賞用樹木でもあります。ただし、庭木に使う場合は、品種に無頓着で実がならず後でガッカリ、といった話もよく耳にします。せっかくシンボルツリー等に選ぶのであれば、もう少しこだわり、実を観賞した後ピクルスにして楽しむ。こんな+αも求めたいもの。だからこそ、オリーブを植えるのではなく、どんなオリーブを植えるべきか考えて見てください。