エクステリアの基礎知識

シマトネリコに続いて取り上げるのはアオダモ。でも、植木に詳しい人なら?と思われるかもしれません。なぜなら、アオダモは非常に魅力的なシンボルツリーではありますが、決してポピュラーとは言えないからです。でも、さらに詳しいひとならばここで取り上げる理由・・・もうお分かりですね。そう、アオダモはシマトネリコ(あるいはトネリコ)と親戚関係にあるからです。

アオダモは、ゴマノクサ目、モクセイ科、トネリコ属、アオダモ(種)と言う分類になります。落葉樹で樹高15m×幹周り50㎝程度にまで成長する高木で、ほぼ日本全国と、千島列島~朝鮮半島が主な分布地となっています。アオダモとは少し変わった名前ですが、これは青色との因果関係が深いため。枝を水に浸すと青い蛍光色となる、青い染料が取れる、その青が墨をより黒く見せる、その色素の影響か幹が青く美しい・・・と言った次第。勿論、日本人に取り古来から身近な樹木で、この青を様々な形で活用してきました。

また、アオダモは木材としての魅力をも持っています。トネリコ属全体の共通点でもありますが、材質が硬く光沢があるのに極めてしなやかで粘りがあるからです。従って、ラケット・スキー板(現在木製は極めて少ない)などに最適です。より有名なのが野球のバット。ご他聞に漏れず、大木の個体数が激減しており、プロ野球界と協力し植樹に努めているというエピソードは、多くの方がご存知の通りです。

では、なぜシンボルツリーとしての人気が高まっているのでしょうか。最大の理由は、樹形の美しいトネリコ属の中にあっても、アオダモはトップクラスであるからです。樹形と関連して樹木の特色を列記しておきます。枝が細くしなやか、樹皮の色が青く美しい、葉は細く繊細で縁は鋸状、春に白い花を群開+秋には翼果を着ける(トネリコ属共通の特徴)・・・など。特色の全てが庭木としての魅力につながっていると言っても過言ではありません。

アオダモの兄弟分としては、ヤマトアオダモ、マルバアオダモ、ミヤマアオダモ、などがあります。しかし、差はわずか(例えばマルバアオダモは、葉の鋸状の切れ込みが緩やか、など)で、専門家で無い限り分類は困難でしょう。また、日本に自生するトネリコ、アオダモ以外のトネリコ属としては、ヤチダモ、シオジ、などがありますが、庭木としてはあまり見かけません。アオダモは植栽用樹木としての流通量はまだそれほど多くありません。値段も少し高めです。しかし、その美しさは前述のごとく特筆すべき物があります。希少価値も含め、ぜひシンボルツリーとして1本・・・

2022/09/30
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