エクステリアの基礎知識

 前項では、常緑樹では数少ない、スッキリした樹形のソヨゴを取り上げました。そこでこの項では、より繊細でまさにスッキリ系NO1の樹木を紹介します。その名はハイノキ。まだ、普及率は高いとはいえませんが、植木好きの人達の憧れでもあり、隠れた人気NO1樹木でもあります。従って、値段はやや高めですが、ネット販売などでもあっという間に売り切れゴメン・・・

 ハイノキ(灰の木)は、カキノキ目、ハイノキ科、ハイノキ属、の常緑小高木です。学名は「Symplocos(ハイモキ属) myrtacea」。自生地は近畿以西の本州、四国、九州で、特に九州での分布率が高いようです。従って、比較的暖地を好む樹木と言えるでしょう。また、学術的な記述が少ない樹木で、正確には分かりませんが、日本の固有種か、固有種に近い樹木と考えられます。樹木としての特色を上げると、成長すると10mに達するが一般的には4~5m以下、花期は5~6月で白い小花を群開し美しい、葉は細長くヘリが鋸状、枝が細く樹形が繊細、成長が遅く樹形が乱れにくい・・・などを上げることができます。この特性を活かし、栽培されている苗木は殆ど株立で、この点も人気の要因と言えるかもしれません。

 育苗された樹木は結構耐寒性があるとも言われていますが、まだ寒冷地でのデータは少なく、どのエリアまで庭木として使えるか、不明瞭な部分も残ります。従って、関東以西(南)に限定した方が無難かも知れません。また、暖地の森で育った比較的小さな樹木であるため、半日陰には対応できても、西日には弱いと言う一面があり、一定の配慮が必要です。ハイノキとは変わった名前ですが、これは木灰が染色の媒染剤に適しているため。

 また、ハイノキは1科、1属のかなり特異な樹木グループでもあります。ハイノキ科、ハイノキ属の樹木は、アジア、オーストラリア、南北アメリカ、など分布範囲は広く、日本にも20種ほどが自生しています。また、落葉、常緑の両方があり、低木~高木までとサイズも様々。しかし、花の形が特異で、ハイノキ科の学名(Symplocaceae)もここから付けられました。ラテン語で「いっしょになる」と言う意味で、多数の雄しべが5組の束になっているため、この学名となったと言うことです。

 ハイノキ、この隠れ人気NO1常緑樹をぜひシンボルツリーに! しして、スッキリ樹形を楽しみながら、小さな花もじっくりと観察し、学名の意味を自ら確かめてみてはいかがでしょうか・・・

高価ですが、最近人気のハイノキ。涼しげな樹形が人気の秘訣。

ハイノキの実例写真です。こちらの詳しい施工写真はこちらのページをご覧ください。

2022/09/30
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