「塀」「フェンス」「目隠し」の役割としては、デザイン、敷地境界、プライベート保護、防犯、などを上げることができます。そして、「門廻り」との決定的違いは、必要に応じて設置する場合と設置しない場合があるということです。表現を変えると、必要部(時)のみに設置するものと言うこともできます。
昔は、住宅と言えば「塀」で囲むのが当たり前でした。しかし、オープンスタイル、セミクローズスタイル、クローズスタイルなど様々な「フロントガーデン」が作られる現状下では、目的に合わせ設置し、その中で最良のデザインや商品(材料)を選ぶと言う傾向が強くなっています。また、クローズスタイルであっても、「門廻り」同様に道路からセットバックして「塀」を設置するケースも増えています。
材質も、「塀」の場合い、ブロック、石積み、レンガ積み、コンクリート、など様々。しかも、表面の化粧仕上げを加えると、実に多種多様です。「フェンス」「目隠し」系も、アルミ、スチール、ステンレス、樹脂、木材、木樹脂、これらを組み合わせたものなど、これまた多岐に及んでいます。また、「生垣」を含め樹木と組合すことも良く有ります。
前記した「塀」「フェンス」「目隠し」の役割は全て大切なものです。ただ、「フロントガーデン」のスタイルが多様化してる現状で、特に重要度が増しているのが「目隠し」機能です。そして「目隠し」が求められる主要ケースとして、玄関周辺の「目隠し」、掃き出し窓前の「目隠し」、特定のプライベートスペース(ガーデンルーム、デッキ、等)の「目隠し」、などを上げることができます。これらの「目隠し」の共通点として、かなりの高さ(H1,600 ㎜~H2,000㎜が一般的)が求められるが、庭全体を囲う必要がない物が多い、と言う点を上げることができます。
従って、「目隠し」が主目的の場合は、軽量で加工性が良い、金属、樹脂、木製、などの方が有利です。特に、材質・施工方法に注意すれば木製の「目隠し」は、耐久性、現場対応力、デザイン、コスト、などあらゆる点での魅力がありお勧めです。例えば、玄関廻りの「目隠し」でも、門柱とその周辺の「塀」だけではなく、ポストの設置を兼ねて、ポーチ近くに別に木製スクリーンを設置すると言った方式を採用することで、機能、デザイン、コスト、全ての面で有利になることが良くあります。
アイアンウッドと植栽を組み合わせた玄関前の目隠し
窓の目隠しを兼ねた門周り