今回紹介するシンボルツリーは「サルスベリ」で、落葉樹では極めて珍しく、夏に真価を発揮する樹木です。
「サルスベリ」はミソハギ科、サルスベリ属の落葉中高木です。名前の由来は、幹の樹皮がはがれ木肌が露出しツルツルになり、猿も滑り落ちるから・・・勿論、寓話ですが。また、7月後半~9月初旬まで、真夏に長く花を咲かせるため「百日紅」とも言われます。
「サルスベリ」は非常に興味ある植物でもあります。落葉樹でありながら、原産地が熱帯・亜熱帯であるからです。日本では南西諸島に自生しています。
通常、落葉樹は冷涼で陽当たりのよい場所を好みます。従って、夏にやや弱いのが一般的です。しかし「サルスベリ」の場合は夏が主役です。もちろん、葉焼けの心配など無用。
木肌が面白いため、昔から和風造園にもよく使われました。当時は、松などと同様に、人の手を加え盆栽のような樹形を作り珍重しました。
「サルスベリ」は現在も、シンボルツリーや街路樹として多く使われています。しかし、無理に枝振りに手を加えず、雑木的な扱いをするようになりました。
花は、赤、ピンク、白など多彩で、前記のように夏中楽しめます。
幹・花の特性から「サルスベリ」は中国でも古くから珍重されました。従って、有名な庭園に多く植えられているだけではなく、徐州市、襄陽市、自貢市、基隆市(台湾)などの市花にもなっています。
「サルスベリ」は樹形も美しく、シンボルツリーに適しています。ただ、枝が伸びすぎる傾向にあり、樹形が乱れた時は、思い切った剪定行ってください。多少切りすぎと思っても、すぐに復活し心配要りません。
2022/09/26
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