花の美しい樹木を紹介中です。この項からは蔓性植物(樹木)を2種取り上げます。1つ目は夏代表のノウゼンカズラ。2つ目は春代表のフジ。まずはノウゼンカズラから。
ノウゼンカズラはどこにでも植えられているつる性植物で、花が美しく殆どの人が目にしたことがあると思います。特に最近は花色も多様化し、グリーンカーテン用、壁面緑化用としても人気が高まっています。しかし、名前やどのような素性の植物であるのかを知っている人は、意外に少ないのではないでしょうか?
ノウゼンカズラ(凌霄花)はノウゼンカズラ科、ノウゼンカズラ属、ノウゼンカズラ(種)と言う分類の、蔓性落葉樹です。学名は「Campsis(ノウゼンカズラ属) grandiflora」。英名は「Chinese trumpet vine」。つまり「中国産のトランペットのような花を咲かす蔓性植物」と言う意味で、ノウゼンカズラの特性をよく表しています。
この英語名でもわかる通り、ノウゼンカズラの原産地は中国。ただし、平安時代に日本に持ち込まれており、外来樹木と言うイメージはありません。樹木の特性を整理しておくと、蔓性の落葉樹木、気根を出し木や壁に貼りつく、葉は小さく羽状に着く、ラッパ状の花を咲かせる、花色はオレンジ系が基本だがピンク・イエロー等の園芸種も出回るようになった、成長が早く育てやすい・・・など。また、ノウゼンカズラの樹皮等には利尿作用があり漢方薬にもなっています。
ここで、エクステリア関係者にはぜひ伝えておきたい事実が。それは最高品質のハードウッド・イぺについて。この樹木は実はノウゼンカズラの仲間。その花を見れば一目瞭然で、ブラジルの国花にもなっています。それ程貴重な樹木でありながら、乱伐をつづけ現在では殆ど手に入らなくなってしまいました。いくらエクステリア素材として高品質であっても、私たちはこのような行動をとるべきではありません。
また、イぺの近樹種で紫の花を咲かせる樹木があります。同じくアマゾンに生息する樹木で属に「紫イぺ」と呼ばれています。別名をタヒボ。サプリメント通ならこの名を聞き思い出されるかもしれません。そう、「タヒボ茶」等で有名な神秘の栄養補助食品です。そういえば、前述のようにノウゼンカズラも漢方薬として使われます。