アオキ(青木)」は、ミズキ科、アオキ属の常緑低木です。日本原産の樹木で、北海道~沖縄まで幅広く自生しています。当然、それだけ育てやすいと言うこと。勿論、このコーナーで紹介している以上、日陰に強い植物であることはいうまでもありません。
「アオキ」の高さは2m程度。最大の魅力は葉の美しさで、つやと厚みがあります。大きさは10cm~15cm程度で縁が鋸状。斑入り種も多く作出されており、これが魅力をさらにアップさせています。また、「フイリアオキ」として園芸的には1つのグループを構成しています。この「フイリアオキ」はカラーリーフとして日陰の庭を彩る低木の代表格です。
花は赤紫色で、雄花と雌花が別です。雄花が大きく雌花が小さいのが特色で、派手さはありませんが、ユニークでそれなりに楽しめます。花期は3月~5月。
実は秋の終盤に熟し明るい赤色。11月~翌年5月頃まで楽しめ、この点も「アオキ」の魅力の1つです。
「アオキ」と言う名前は、基本種は葉も茎も常に緑であることから名づけられました。また、観賞とは直接関係は無いのですが、「アオキ」は切り取るとすぐ黒くなると言う特性を持っています。これは、樹脂にアウクビンと言う特有の成分が含まれているためです。コウモリカズラ、オトコヨウゾメ、ヘクソカズラ、ギンリョウソウ、などにも同成分があり、黒くなるそうです。
この性質が漢方薬にも活かされています。胃腸薬で有名な「陀羅尼助(だらにすけ)」が黒光りする塊であるのはこのアウクビンを使って(薬効成分としてではなく、固めるため)ためです。
2022/09/28
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