最近軽視する人も少なくない、でも外構・ガーデンのもう1人の主役「植栽」について考えて見たいと思います。でも、樹種の選び方、特性、育て方、管理のポイント・・・等々、大切なことですが、それだけじゃ面白くない。他の、エクステリア商品・プランと異なり、植物とは生き物であるからです。
例えば、ペットを飼う時、それは1匹のワンちゃんであっても、貴方と、ご家族と特別な関係が生まれます。この点が、他の商品や蒐集物と決定的に異なるところです。では、その違いとは具体的になんでしょうか。難しい問題ですが、大きく分けて2つの要素があると思います。一つは、生まれ、成長し、やがては死を向かえると言うことです。つまり、単なる経年変化と言ったものではなく、生物特有の時が流れると言うこと。
二つ目は、生きているが故に、特有の思い入れが生まれると言うこと。例えば、やたら血統やその姿・性格の自慢をしたくなる、家族同等の信頼関係が生まれる、他人が知らない知識を披露したりうんちくを述べたくなる、そんな気持ちにさせてくれると言うこと。勿論、生き物以外の物にも、人は様々なこだわりを持ちます。しかし、生き物どうしの場合はやはり特殊な世界がそこにあります。
「植栽」も同じです。だからこそ、世間の常識を超えた付き合い方があってもいいはずです。いや、特別な付き合い方をしている人は、既に多数おられます。しかし最近は、マニアと一般の人に2極化しているように思えてなりません。同時に、マニアと言える人の人口が減り、そこに植木が植わっているから、たまに視線を止める、最低限の水やりをすると言った、一般組みが増えているようにも感じられます。
何故でしょうか? 生活時間にそれだけ余裕が無い、自然に対する全体的な知識・興味が薄れている、無生物と違い付き合うことが面倒くさい・・・理由は様々でしょう。でも、筆者は付き合い方に遊びがなさ過ぎる。それも大きな要因ではないかと考えています。しかし、生き物とより深く付き合うには、一見どうでもよいことこそ大切なのでは・・・
そこで、このカテゴリでは一見どうでも良いことを特に重視し「植栽」を取り上げることにしました。例えば、どこでも目にする、キョウチクトウの実・種を見たことのある人は殆どいません。何故でしょうか? 答えは、インド原産の植物で、中国を経て輸入されたが、殆ど結実しないクローン種ばかり育苗され普及したため。そして、このキョウチクトウだけでも、あまり知られていない秘密が他にもあります。