エクステリアの基礎知識

お庭スペースがあると、よく「畑にしたい」「野菜を植えたい」というご要望をお聞きします。今回はそんな食べる植物を植えるお庭、キッチンガーデンのご紹介です。

野菜のお庭。それがキッチンガーデンです。英語ではオーナメンタル・キッチンガーデンといいます。装飾的な野菜畑というわけです。

欧米のキッチンガーデンの場合、ツゲなどできちんと縁どりをしたり、果樹を軽くまたげる程度の高さに仕立てて囲ったり(ステップオーバー仕立 て)して、その中に野菜やハーブが植えられています。 つまりフォーマルガーデンと言われるヨーロッパの庭園技法がキッチンガーデンにも生かされているわけです。

フォーマルガーデンというのは、日本語では「整形式庭園」。たとえばベルサイユ宮殿のお庭です。

ベルサイユ宮殿は大きすぎますが、キッチリ左右対称に囲ったところに野菜を植えるのが、欧米流のキッチンガーデン。野菜は、お花 より自由奔放に育ちますから、囲った区画におさめると、秩序が生まれて見た目もよくなります。

キッチンガーデンを作る上で外せないルールがあります。「嫌地」というのですが、野菜は、同じ場所に毎年同じものを植えるとうまくいきません。

たとえば、トマトなどナス科(なす、じゃがいも、とうがらし等)の畑は4~5年休まなくてはならないのです。

よく輪作と言われるのですが、これは同じ場所に植えつける野菜のローテーションのこと。例えば、ラッカセイを植えた後の畑には、サツマ イモがいいとかです。

野菜はほとんど一年草ですが、ハーブなど宿根のものも植えたい、となると、区画がもう一つ必要です。このようにいくつか区画を作っていくと、フォーマルなキッチンガーデンに仕上がります。

もう一つ大事なのは、左右対称にすること。たとえば、四角形の四隅にパセリを植えるだけでも、なんとなくこだわりのデザインに見えてきます。

縁取りには、レタスや菜っ葉類、高さやボリュームを出したかったらブロッコリーやなす、支柱を立てるならつるありインゲンやゴーヤ…。野菜のなり方、サイズなどの組み合わせは、まさに無限です。

それから、ガーデンですからやはり美しさも大切です。たとえば支柱にしばりつけるひもも白いビニール紐ではなく、麻ひもなど自然素材を使うだけでもグレードアップします。

最後に、キッチンガーデンを作るとき、最も重要なアイテムがあります。

それは野菜を洗ったり、洗う時に収穫した野菜をちょっと置いておく作業スペースのある腰高の水栓です。

通常のガーデニングと異なり、収穫という作業が出てくるキッチンガーデンでは、やはり腰を曲げずに作業ができる腰高の作業台付き水栓は不可欠。

キッチンガーデン創りの際は必ずこのアイテムを忘れないでください。

もちろん、デザインも幅広く、シンプルで価格の安いものからにとことんこだわりたい方には個性的なデザインの商品も登場しています。

例えばこんな屋外キッチンはいかがですか???

2022/09/24

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