周囲にお隣の家が接近しているのがなにより特徴の都心近郊の家のお庭。
お庭のリフォームのご依頼は大きく分けて3種類の理由があります。①雑草対策や周囲からの視線、駐輪スペースの確保と言った「ストレスをなくす」ご依頼。②ウッドデッキやテラス、花壇など趣味の空間を作るいわゆる少し日々の生活に豊かさを演出するリフォーム。③①と②の混合型のご依頼。
①の切羽詰った感のあるガーデンリフォームから②のちょっとした「ゆとり」のガーデンリフォームまで。よくある庭のスペースから外観・プラン・必要な費用と共にご紹介しようと思います。
さて、こういうスペースの手付かずお庭スペースとします。
特に高槻市の山手のエリアは山が近い分雑草が生えやすい。。。
ということで、雑草対策のため一番コストが安いのが、防草シートを敷いて砕石と呼ばれる「砂利」を入れる簡易的なリフォーム。
パースを描くまでもないのですが。
こちらのスペース、実は約20㎡(約6坪)程度あります。
砂利はあとからDIYで入れたらいっかーという方もいらっしゃるのですが、ホームセンターで販売されている砂利は基本袋入り。
値段はバラス~化粧砂利まで様々なのですが、袋入の砂利って1㎡で4~5袋必要って知っておられましたか????
例えば20㎡の場合・・・80袋~100袋!!!!!!
迷わず専門店に依頼しましょう。
砂利敷に必要な工程は
スキトリ→砂利を入れる分の土を取ります。当店の標準仕様は5cm厚みです。
残土処分→スキトリをした土を捨てます。
防草シート敷設→読んで字のごとくです。
バラス敷→一番費用が安いのは砕石・バラスと呼ばれるトラックで取れる砂利です。
諸経費→主に職人さんのガソリン代や建材を取りに行ったり、コーディネーターの動く人件費などの経費に充当しています。
ということで積算してみると
スキトリ 1式 15,000円
残土処分 20㎡×5cm×1.4(土はトラック等積むと膨らむので1.4倍と試算しています)=1.4㎥
17,000円
防草シート敷 1式 14,000円
バラス敷厚み5cm 20㎡ 25,000円
諸経費 1式 3,550円
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小計 74,550円(税別)
税込 80,000円(端数処理後)
ざっとこういった感じになります。
次に、おっとこのお庭、お隣の勝手口に面していますよね。
目隠しフェンスほしくないですか????
ということで、当店オススメのアイアンウッド(詳しくは当店ホームページのこちらをご覧ください。)。
隠れました。
この工事はご覧のようにお隣の視線を遮ると同時にお隣にも一歩間違えればとんでもない圧迫感を与えることがあります。
きちんとお隣とお話してから設置を検討しましょう。
高さが2.5mの設定なのですがもし、お隣さんから高さに関して「やりすぎだろ!!」って話になれば庭から自分の背丈に合わせてあくまでこちら側が気にならない程度の高さという方法もあります。
またスーパーフェンスライトの部材とウリン材を組み合わせて境界ブロックの上にウッドフェンスを設置するという方法も可能。
スーパーフェンスライトはこちらをご覧ください。
立面図だとこんな感じです。隙間は大体2cm程度。
ブロック部分には目隠しは不要なので付けていません。
積算します。
ウリン材 柱材 9cm角(2mを超える高さの場合9cm角を使っています)
9cm×9cm×3m(埋め込み分を入れて3mになります)
4本 53,000円
格子材 幅10.5cm×厚み1.2cm×長さ1.5m
54本 38,340円
ビス 216個→1箱 5,100円(硬いウリン材施工にも耐えられるビスを使用します)
木材送料 4,600円
施工費 65,000円
諸経費 8,000円
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小計 168,940円(税抜)
税込 182,000円(端数値引込)
ざっとなのですが、アイアンウッドと使用した目隠しフェンスは施工費の兼ね合いで5㎡以上の場合だと1㎡あたり20,000~30,000円
といったところでしょうか。
このお庭スペースの場合ここまでが恐らく「不便にかられて切羽詰って必要になるアイテム」だと思われます。
ここからは、プラスαのご提案となってきます。
ウッドデッキ。
こちらのプランでは、強度はさほど差異のないアイアンウッドのマニルカラ材とウリン材を併用したデッキ材プランとなります。
なぜかと言うとウリン材は短い部材は値段が安く、長い部材は極端に値段が上がる、マニルカラ材はその逆と言う価格的な特徴があります。
あくまでこれは今現在の状況です。
為替や出荷量等輸入木材は様々な原因により原価が左右します。
ちなみにウリン材の短い部材がなぜ安いかというと、材木を製材する際、長い材料を要望される場合が多い。そのため短い材料が出てくる。と言う理由らしいです。
木材の価格は業界では㎥(立方メートル)単価で取引します。
縦×横×高さです。
短い材料と長い材料ではウリンの場合1.5倍程度の差があります。
また、例えばこの間、発生していたのは
円安でウリンの原価が上がった→みんな他のアイアンウッドに逃げた→ウリンが売れなくなった→原価が下がった
とか
ウリンの使用量がいきなり中国で増えた→生産量が追いつかなくなってきた→値段が上がった
などなど。
ウリンを中国ではフローリングにも使用することがあるとかないとかで、一時期流通が全然ないという状態になっていた時期もありました。
またデッキ材の寸法により、販売されている決まった長さが微妙にウリンとマニルカラでは異なるため(原産地がウリンは東南アジア、マニルカラは南米となっておりそれぞれ差異があるようです)寸法によっても材木を変えています。
最初の木材の色は多少マニルカラの方が赤みがかっているといわれるのですが、正直なところ、木材ひとつひとつによっても色に差異があり、しかも一回雨に浴びると色合いの変化が始まるので大した問題はありません。
強いていうならマニルカラ独特の反りが強いため、時折デッキ材のビスが緩むことがありますが、ごく稀なことなので、そのデッキ材を創刊すれば大した問題はありません。
今回はこのようなウッドデッキです。
2.1m×3.7m程度の大きさのウッドデッキです。高さは50cm程度。
今回はデッキ材・根太材・幕板材はマニルカラ材、束材はウリン材でいきます。
その前に、デッキ材はともかく根太、幕板、束ってなんでしょう。
デッキの施工方法は色々あるのですが、当店の場合このような仕様でいっています。
こんな感じです。
こうやってウッドデッキは支えられているのですね。
ちなみに当店の場合ですが、根太の間隔は90cm以下でデッキ材の厚みは3cm以上という形で仕様設定しています。
現場にあわせて多少仕様は変えていますが基本はこのルールです。
さて積算いきます。
デッキ部
デッキ材 マニルカラ材 厚み3cm幅10.5cm長さ2.1m 34本 107,000円
根太材 マニルカラ材 厚み3cm幅10.5cm長さ3.9m 4本 24,000円
束材 ウリン材 7cm角×長さ50cm 20本 14,600円
幕板材 マニルカラ材 厚み3cm幅12cm×長さ3m 1本 5,400円
幕板材 マニルカラ材 厚み3cm幅12cm×長さ2.1m 1本 3,700円
デッキ施工費 92,000円
束石施工費 20箇所 24,600円
階段部
デッキ材 マニルカラ材 厚み3cm幅10.5cm長さ1.5m 3本 4,800円
根太材 マニルカラ材 厚み3cm幅10.5cm長さ1.5m 1本 2,400円
幕板材 マニルカラ材 厚み3cm幅12cm×長さ1.8m 1本 3,100円
束材 ウリン材 7cm角×長さ30cm 2本 14,600円
階段施工費 1式 15,000円
束石施工費 2箇所 2400円
その他部材
ビス 372本→2箱 5,100円
アングルピース(束と束石を接続する金物)22個→3ケース 10100円
木材送料 4,700円
諸経費 16,600円
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小計 349,500円(税抜)
合計 377,000円(税込端数値引込)
寸法とデッキの形状にもよるのですがざっと40,000円~45,000円/㎡くらいが目安になってくる感じです。
一時期より少し値段が上がっている気がします。為替ですね。
さて庭にオススメのアウトドアリビング。
さて続きにいきます。
デッキ左の目隠しを伸ばすというのも方法ですが、そろそろここ辺りで植物を入れていきます。
目隠しと言うととかくフェンスに拘りがちですが、樹木を使うのも1つの方法。
なにより庭に植物なしというのは少し淋しいものです。
そこで。
常緑樹とウリン材を枕木風に立てた花壇を作ってみました。
最近のエクステリアでは常緑樹でも比較的樹形の柔らかな株立樹形で葉が優しい印象のものをよく使います。
人気樹種でいうと、シマトネリコ、ソヨゴ、ハイノキといった自然樹形のものでしょうか。
でもこの三つはそれぞれ特徴を持っています。
ざっくり分けると、
早く大きく葉を茂らせて育てたい→シマトネリコ
スペースが限られているので生長の遅いものを→ソヨゴ、ハイノキ
花を楽しみたい→ハイノキ
と言った具合です。
あとハイノキは時折西日でやられることがあるので注意が必要です。
さて積算してみます。
花壇 ピンコロ積基礎 3m 4,700円
砂岩ピンコロ積3段 1㎡ 38,000円
まさ土入 0,5㎥ 7,700円
シマトネリコ株立H2.0 1本 11,000円
低木(斑入アオキ、マホニアコンフーサ) 2本 2,700円
グランドカバー
(アベリアホープレイス/セイブロックゴールド)10pot 9000円
植付・運搬等費用 46,000円
ウリン材立 5cm×15cm 11本 78,000円
木材運搬費 4,600円
諸経費 10,000円
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小計 211,700円
合計 228,000円(税込端数値引込)
ちなみにこの花壇スペースはこういう効果もあります。
デッキの接するリビングやダイニングからの景観。
家具類の配置にもよるのですが、掃きだし窓からの景色に植物があるのは「使う」だけではなく「見る」庭の意味合いが出てくる分、よりお庭が楽しい空間となって生きます。
さて、次に、そういえばお向かいの家にも窓がありますね。
これも単純に目隠しフェンスを付けるというのも1つのアイデアですが少し面白いことをしてみてもいいかもしれません。
最近南向きの庭の場合布製のシェードを取り付ける方が増えました。
このシェード用の柱を兼ねた簡易的なパーゴラと目隠しの複合的な機能のあるものを作ってみてはいかがでしょうか。
柱を伸ばし、垂木を取り付け、必要な箇所・高さのみ横格子で目隠し。
このお庭だとあまり、花を楽しむスペースが少ないのでモッコウバラやカロライナジャスミンなどつる性の常緑の花を植えて楽しむ。
ツルを誘引し易くするため横格子の隙間は5cmと少し広め。
ぐっと庭らしくなってきました。
積算してみます。
パーゴラ 柱 9cm角×3,6m ウリン材 5本 79,000円
パーゴラ垂木 3cm×1.2cm×2.5m ウリン材10本 46,000円
パーゴラ化粧材 3cm×1.2cm×3mウリン材 1本 5,900円
パーゴラ横格子 1.2cm×10.5cm×1m 16本 8,000円
金物(Lアングル/ビス) 16,000円
木材運搬費 4,600円
パーゴラ施工費 90,000円
シェード 16,000円
見切りピンコロ 5m 30,000円
土入 2,000円
諸経費 15,000円
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小計 312,500円
合計 337,000円(税込端数値引込)
なお価格は土地条件により多少上下することがあります。
例えば既に雑草まみれであったり、木が植えられていたり、庭まで相当の距離があったり、道路からの高さが高かったり。
逆に元々土の量が少なくて残土が減ったり。地盤が極端に弱くて束石がどんどん沈んだり。
この辺りはまさに現場によりけりです。
まだまだできることはたくさんあるのですが、ここまでのスペックで120万円のお庭。
庭のリフォームは1回で済まそうとする方も多いのですが年を重ねるたび庭に対するニーズは変化します。
だからこそ、少しずつ望む形を作っていき、手作りするもの、専門店にお願いするものを吟味しながら徐々に作っていく。
庭の醍醐味はそこにあるのではないでしょうか。
庭は建物と異なり、完工がスタート地点です。
そこから植物が育ち様々な素材が経年変化し、より価値のあるものになっていきます。
お庭造り、楽しんでみませんか。