一歩上行くアプローチグリーン①!
新築外構(フロントガーデン)のグリーンについて検証中。
この項からは、アプローチの植栽の使い方について述べます。
ただし、アプローチ自体の基本コンセプトが激変し、それに伴い植物の使い方も大きく変わりました。従って、その変化を良く理解できていない外構も珍しくありません。これを機会に、最先端のアプローチ&グリーンを!
ではなぜアプローチのコンセプトが激変したのでしょうか。最大の理由は生活習慣の変化にあります。
そして変化をさらに推し進めたのが高齢化社会。
そもそもアプローチとは人が通る(≒歩く)場所。にもかかわらず、外部から目立つ場所であることが多いため、一昔前まではデザインが優先されました。
しかし、本来の目的に合わせ、最近機能優先の発想へと切り替わったためです。
便宜上、一昔前のアプローチを「昭和のアプローチ」、
現代のアプローチを「平成のアプローチ」と名付け、具体的にその違いを確認しておきます。
「昭和のアプローチ」=デザイン優先+機能
<出来るだけ細く長く。カーブも多くして遠近感を出す>
・・・もう少し具体的に言うと、露地(茶庭)のようなアプローチが好まれました。
例えば、和風の場合幅60㎝程度の曲がった通路を出来るだけ長く作る。その間にカーブも多くし、曲がった部分に樹木を植え視線をさえぎることで遠近感を出す。門廻りと玄関を一直線に結ぶことは可能な限り避ける。等々。この考え方は、和風外構だけでは無く、洋風外構に対しても同じでした。
「平成のアプローチ」=機能優先+デザイン<出来るだけ太く短く。カーブや障害物も少なく>
・・・具体的には、門廻り~玄関までの距離は短めにする。幅もできるだけ広く。階段もステップの奥行きは広めで蹴上は低め。その中でデザイン性を考える(場合によっては、バリアフリー的発想も)。そして、この考え方が和洋を問わず、アプローチの基本となりました。
では、上記を元にアプローチの植栽に関する変化について。
結論から言えば、 「昭和のアプローチ」の場合は植栽を多用しやすいアプローチ、「平成のアプローチ」の場合は比較的植栽を使いにくいアプローチ・・・と言うことができます。
特に、高木に関しては、使える場所が限られてきます
(狭い場合はアプローチ周辺・広い場合は周辺とアプローチ内の緩衝<花壇、他>空間、等)。
ただし、グリーンスペースが不足しやすい「平成のアプローチ」であればこそ、植栽の使い方がデザイン・センス面でより大きく影響します。だからこそ、限られた条件の中でどうグリーンを使うかが極めて重要なプランポイントとなります。
一口アドバイス。
「平成のアプローチだからこそ、より重要性を増すグリーンンの使い方!」
(みずき りょう)
「昭和のアプローチ」の原点とも言える露地(写真は外露地)の長く細いアプローチ
20年ほど前までは、アプローチを長くし、植栽・カーブ等で遠近感を強調するのが良いとされた。
「平成のアプローチ」は機能重視で、広く短い方が良いとされる。この作品は門廻りをセットバックする事で、ガレージから玄関までの距離を短くしている。しかも、デザイン・機能的な工夫、それにさりげないグリーンも・・・