エクステリアの基礎知識

SPF材」のコーナーでも触れましたが、「パイン材」は、防腐剤を加圧注入しないと、腐りやすく屋外使用には向いていません。この防腐注入材、他にもスプルース(栂)、シーダー(杉)、ファー(樅)などがありますが、圧倒的にパインの量が多く、特色も殆ど変わらないので、それを代表に述べておきます。

まず、防腐剤ですが、表面に塗るだけでは極めて短期的な効果しかないため、特性の設備を使い圧力をかけ、内部にまで染み込ませます。当然、かなり防腐効果はアップするわけです。ただし、防腐材ですから当然「毒性」があり、それが長く留まることにもなります。

もっとも、昨今は「毒性」に対する規制が厳しくなり、耐久性もまた以前より落ちるようになりました。長持ちさせたければ、「毒性」が強くなるし、「毒性」を弱くすれば腐るのが早くなる。その追いかけあいを行っているのが「パイン防腐注入材」と言えるでしょう。
ただし、価格が比較的安いため捨てがたい魅力も持っています。

したがって、以下の2つのルールを守って使用してください。
①お子様やペットがよく触る場所には使わない。
②材質の特性をよく知り使用する。
以上です。

ところが、「パインの防腐注入材」(他の類似材も同じ)は世界各国から輸入されており、産地によって大きく品質が異なります。つまり、プロの知識と選択眼が無いと失敗する危険性が高い材木でもあるわけです。
まず、見分け方ですが、防腐剤注入材特有の「緑っぽい色」をしているので、すぐ分かります。ただし、以下に述べる、外見で産地を見分けることは、一般のお客様にはまず不可能です。

この材料は、北欧、ポーランド等の東欧、北米、ニュージーランド、など、幅広い地域から輸入されています。それだけに、品質のバラツキも大きく、クレームの対象になることも多くなっています。
具体的には、寒くて成長が遅い、それだけに材質がよく評価の高い北欧産意外は、かなり品質が落ちると言うことです。

あるメーカーが、北欧産の同材料を使ったエクステリア製品を輸入していました。しかし、販売量のアップへの対応と、コストダウンのためポーランド産に変えたことがあります。ところが、3年程経過した頃から、クレームが急増。つまり、これまで考えられないような腐り方をするようになったのです。

このエピソードでも分かるように、防腐剤を注入していても、産地によっては、使用条件が悪ければ3年程で腐ってしまうこともあります。

もう一点、この材料は、そり、ひねり、割れが比較的大きいと言う事も覚えておいてください。また、海上輸送中、カビがよく発生しそれが残っていることもあります。
従って、フェンス、ラチス、トレリス、スクリーンなどの加工製品、デッキの基礎部になる(表面から見えない部分)、束柱、大引き、根太、など意外の使用はあまりお勧めできません。

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