エクステリアの基礎知識

段差処理に続いて、「カースペース」の広さ、形状について検証します。まず、「カースペース」の昔から言われている基本サイズを提示しておきます。答えは、1台用=奥行き5m×幅3m(15㎡)、2台用=奥行き5m×幅5m(25㎡)です。そして、多くの住宅業者が現在もこの基準をベースに、住宅配置を決めています。

しかし、この基準にあえて「昔から言われている」と言う言葉を加えたのには訳があります。現在の基準・暮らしとの間にズレが出てきているからです。大都市部の30坪以下の狭小地住宅の場合は、上記基準で住宅配置することは仕方がありません。それ以外の方法が無いからです。しかし、少しでも余裕のある敷地の場合、この基準で「カースペース」を確保し住宅配置を決めると、大きな失敗に繋がることがあります。

車の大型化、生活習慣の変化、お客様の「カースペース」に対するご要望の多様化、様々な「カースペース」関連エクステリア商品の進化・・・と言った理由から、基準に変化が出てきているからです。その変化は、①:基本サイズの大型化 ②:基本サイズから外れた「カースペース」の増加、に大別されます。

まず、①:に関係する、最近良く採用される「カースペース」の基本サイズについて。多少意見の違いは有りますが、1台用=奥行き5.8m×3m17.4㎡)、2台用=奥行き5.8m×5m29㎡)と言ったところ。ちなみに、1台用の17.4㎡とは屋内に置き換えると、10畳のダイニンキッチン以上、2台用の29㎡とは同17.5畳の大型ダイニングリビングと同等のスペースと言うことになります。「カースペース」がいかに広いものか、参考のために覚えておいてください。

話を戻します。基準を大きくしたのは、古い基準では車の大型化への対応、各種ゲート類の設置が困難、と言った理由によるもの。特に古い基準の「カースペース」では、美観・防犯・安全(お子様、ペット等)などを考慮し、リフォームしゲート類を設置したくても出来ない、と言った深刻な問題の多数出てきています。

また、前面の道路が狭い、片方or左右に塀・壁などの大きな障害物がある、と言った場合は奥行きだけではなく、幅も広くする必要があります。傾斜・運転技術によっても多少基準を変える必要が有ります。縦列駐車の場合はさらに多様なチェックを行い形状・サイズを決める必要があります。

従って、「カースペース」は新しい基準+敷地・お客様の状況も加味し始めて決まると言うことになります。次項では、これに使用目的を加えた、より的確な「カースペース」のサイズ・形状について検証します。

アプローチ兼用スペース、来客者用の縦列駐車の駐車スペースと様々な条件がある場合一般的な寸法で駐車スペースをゾーニングするのが難しい場合があります。

2022/09/24

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