エクステリアの基礎知識

あまり手をかけずに花の群開を楽しむ。そんな低木を紹介します。この項ではコデマリとアベリアを取り上げます。

コデマリ(小手毬)は、バラ科、シモツケ属、コデマリ(種)と言う分類の落葉低木です。学名は「Spiraea(シモツケ属)、cantoniensis」。この分類を見ても前項で取り上げたユキヤナギに近い樹木であることは一目瞭然。原産地は中国ですが、江戸時代には既に日本で定着しており、帰化植物扱いされています。ユキヤナギとは花期・咲き方が異なるため、使い分けることでその特性を有効に引き出すことができます。樹木としての特性としては、育てやすい、樹高は1.5m前後、長めの枝をよく茂らせ垂れ下がる、花が手毬のように丸くまとまって咲く、花の時期は4月〜5月、花色は白で八重咲き(変種)もある・・・など。

アベリアに関しては、定義が少し難しくなります。スイカズラ科、ツクバネウツギ属の総称とする場合と、私たちの身近にある園芸種に限定する場合があるからです。ツクバネウツギ属の総称とする根拠は、学名(「Abelia(ツクバネウツギ属)」)を見れば一目瞭然。アベリアとはラテン語でツクバネウツギ属そのものを指す呼称であるからです。その一方で、私たちが目にするアベリアはあるグループにほぼ限定されています。中国原産のタイワンツクバネウツギ×雑交種のハナツクバネウツギの交配種(園芸種)であるということ。従って、身近な園芸種のことを日常の習慣上ではアベリアと呼んでいることになります。さて、あなたは学術派、日常派? そんなことはどちらでも良い・・・それが正解かもしれません。

園芸種のアベリアの特色としては、落葉低木である、育てやすい、樹高は1〜2m程度、枝が長く伸びよく茂り垂れ下がる、白い小花を群開させる、ただしガクの部分が赤みを帯びているため遠目にはやや色付いて見える、花期が晩春〜初秋と極めて長い・・・と言ったことが上げられます。この中で最も注目すべきは、当然のことながら花期の長さ。

結局コデマリ、アベリアの4種最大の特色は、ズボラ者にピッタリの低木であるということかもしれません。手をかけなくて花を楽しみたい方は、ぜひこの2種の活用を。

コデマリ

アベリア

アベリアの園芸種、アベリアホープレイス。余り高さが出ず横に広がるのでグランドカバーとしても用います。

アベリアホープレイスの施工例です。
アベリアホープレイスやコデマリを施工した現場事例は当店ホームページのこちらの事例をご覧ください。

2022/09/30
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