エクステリアの基礎知識

わたし達の身近に自生しているツツジを紹介中です。ミツバツツジ、ヤマツツジに続いてはシャクナゲを取り上げます。

シャクナゲ(石楠花or石南花)とはツツジ科、ツツジ属、シャクナゲ亜属の常緑低木の総称です。つまり、ツツジをツツジ属の総称と定義すると、名前は違うが立派なツツジと言うことになります。現にヨーロッパではロドデンドロン(ツツジ属の学名であると同時にシャクナゲの英語名。ツツジの英語名はアザレア)と呼んでいます。学名は「Rhododendron(ツツジ属) Hymenanthes(シャクナゲ亜属)」。

シャクナゲの最大の特色は分布エリアが広いこと。ア ジアのほぼ全域、しかも亜熱帯〜亜寒帯にまで自生しています。常緑樹でありながら寒さにも強い特異な存在と言えるかもしれません。日本でも、高山にまで自 生しておりハクサンシャクナゲなどはその代表的存在。その一方で反日蔭でも育ち、他のツツジとはこの点が異なるかもしれません。

その他のシャクナゲの特色としては、長楕円形で光沢・厚みのある葉、花は大ぶりで赤系統が多い(白・黄色もある)、一般的な花期は5〜6月、環境適合力が強いため変種が多い、近年は多くの園芸種も出回るようになった・・・などを上げることができます。日本に自生している主なシャクナゲはハクサンシャクナゲ、アズマシャクナゲ、ツクシシャクナゲ、ホンシャクナゲ、ヤクシマシャクナゲなど。

また、葉にはロードキシンと言う有毒成分があり摂取すると吐き気・下痢・呼吸困難となることがあります。漢方薬に「石南(オオカナメモチ)」と言うものがありますが、これを漢字名による誤解で、シャクナゲと間違う人が多いので要注意!

ツツジであるのにツツジと言う名前が付かないシャクナゲ。

続いて、身近な自生ツツジの最後としてドウダンツツジを取り上げます。ただし、ドウダンツツジ(灯台躑躅or満天星)は、ツツジ科、ドウダンツツジ属、の落葉低木。学名は「Enkianthus(ドウダンツツジ属) perulatus」。つまりこれまでの定義からするとツツジではないということになります。事実、一目するだけでかなりの相違があります。

樹木の特色としては、樹高は3m以下の落葉低木、花期は4〜5月、 白色で小さな釣り鐘状、葉は小さく紅葉が美しい、比較的暖地を好み本州西部〜九州に自生・・・などを上げることができます。ただ、自生エリアは限られてお り天然のものをあまり目にすることはありません。その一方で、愛らしさのためか庭木として広く使われており、なじみの低木でもあります。

ツツジと言う名前が付いているのにツツジではないドウダンツツジ。ややこしい話ですが、共に魅力的樹木であることに変わりはありません。

シャクナゲ ツツジなのにシャクナゲ

ドウダンツ

2022/09/30
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