エクステリアの基礎知識

身近にある輸入樹木この項ではスモークツリーを紹介します。かなりの個性派であり、多少の手入れは必要ですが、シンボルツリー、記念樹等にいかがでしょうか。

スモークツリーとは、ウルシ科、の落葉小高木です。分布地は中国中部、ヒマラヤ周辺、南ヨーロッパなどで、比較的温暖な温帯エリアに自生していることが分かります。学名は「Cotinus coggygria Scop」で英名がスモークツリー。日本で公園木、庭木として普及したのは比較的新しく、定着した和名と言うものはありません。

スモークツリーは個性的な樹木です。そこで、少し詳しくその特性を列記しておきましょう。①:樹高は5m程度(殆どの資料にそう記述されていますが、身近にあるスモークツリーを見ると、もう少し大きくなるようです) ②:枝がよく伸び幅広く広がる ③:雌雄異株 ④:葉は丸く先がややへこむ ⑤:新葉は紫色を帯びるものが多い ⑥:花期は5〜6月で枝先に着くが小さく目立たない ⑦:ただし花序が15〜20㎝と長く多数出るのでこれが煙のように見える・・・など。

栽培に関しては、暑さ寒さに強い、陽光を好む、成長が早く枝がよく伸びる、乾燥気味に育てる、病害虫が少ない、などの特性があります。要するに非常に強く、日陰でなければ簡単に育てられるということです。ただし、前述のように枝がよく伸び樹形が乱れやすいので、思い切って刈り込んでください。刈り込みすぎた直後は、スモークのような特性が失われることがありますが、1〜2年で回復します。

ただし、雌株の場合は花序の伸び方が少なく、スモークという名に相応しいイメージになりにくいという難点があります。従って、花・実等を楽しむ樹木ではないので、雄株を選ぶようにしてください(最近販売されているスモークツリーは殆ど雄株のようですが・・・)。

スモークツリーは縦横に広がるので、比較的広い庭のシンボルツリーに適しています。特に、夏前半の空に広がる白・ピンクのスモークは個性的かつ魅力的です。最近、人気が高まっているとはいえ、まだ希少性もあります。だからこそ、自己主張をすることが好きな方、新しい感覚でガーデンづくりをしようと言う方にはピッタリの樹木です。ぜひチャレンジを・・・

2022/09/30
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