エクステリアの基礎知識

日陰に強い樹木の2番手として紹介するのは「ヤツデ」です。最近は少し植える機会が少ないようですが、見直すべき点を多く持った植物です。

「ヤツデ(八手)」は、ウコギ科、ヤツデ属の常緑低木です。関東より西・南部~沖縄に広く分布しており、近樹種は外国にも生息しますが、ほぼ日本の固有種と言って良いでしょう。

外見上の最大の特徴は、何といってもその大きな手のような形の葉。つやがあり肉厚で、大きさも20cmを越えます。勿論、「ヤツデ」と言う名前もここから付けられました。ただし、葉の指のような部分の数は、実際には7つか9つで、偶数の8となることは殆どありません。

他にも、「ヤツデ」は、日陰でも良く育つ、幹の太さが葉先も根元もあまり変わらず細い、成長は遅いが移植・株分け等が容易、などの特色を持った育てやすい樹木です。

花は、10月~12月に葉の先に付き白。あまり目立つものではありませんが、形がユニークで、この時期開花する植物が少ないこともあり、それなりに楽しめます。ただ、アブやハエが集まると言う問題も・・・。

そして、翌春に熟し黒紫色の実をつけます。

当然「ヤツデ」は日陰に植えられることが多くなり、やや暗い印象があります。また、和風のイメージも強く、庭木としての使用は減少気味です。しかし、樹形を上手く活用すれば、観葉植物的な扱いが可能です。洋風ガーデンにもぜひ有効に使ってください!

「ヤツデ」の葉には、ヤツデサポニンという成分が含まれています。従って、八角金盤という漢方薬が作られ、痰をとる効果があるといわれています。ただし、大量に摂取すると下痢や嘔吐を引き起こします。昔は、このような性質も利用され殺虫剤として使われたとのこと。まさに、薬と毒とは紙一重といったところでしょうか・・・

2022/09/26
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