塀・フェンス廻りのグリーン①!
新築外構(フロントガーデン)の植栽について検証中。
門廻りに続き、この項からは門廻りの延長として、塀・フェンス廻りにスポットをあてます。
と言っても、外構にはオープン(囲い自体が無い)、セミクローズ(必要分だけ塀・フェンス等で囲う)、クローズ(ほぼ全体を塀・フェンス等で囲う)と言う3つの基本スタイルがあり、オープンスタイルの場合は塀・フェンス自体が存在しないので対象外。また、臨地境界部分等はむしろプライベートガーデンの領域に入るので、前面道路面の塀・フェンス部に限定します。
塀・フェンス部の植栽は、植栽自体が塀・フェンスの役割を担う生垣と、塀・フェンス自体に植栽をセットする方法とに大別されます。
勿論、部分的ごとに生垣、塀・フェンスを使い分ける中間的な処理方法もあります。
まず生垣を取り上げますが、その活用方法には大きな変化が見られます。昭和の頃には、仕切りだけでは無く完全目隠しと言う、塀に近い役割を担う事が多かったが、平成に入ってからは仕切り+感覚的な目隠しと言う、より軽やかなものが大半を占めるようになったからです。生垣用の樹木も、かつてはカイズカイブキ・ウバメガシ等を使い、高さ2mにも及ぶ刈込物が目立ちましたが、近年はほぼ絶滅と言っても差し支えないでしょう。
このような役割変化を考慮すると、近年の生垣は、丈夫で成長が遅い樹木であれば何でもOKと言う事に成ります。
その意味では、コニファーも成長が遅い改良種であれば使えると言う事。ただし、敷地が狭い場合は集中的な葉枯れが多くなるので、避けるべきでしょう。
以上を前提に、最近多用されている生垣用樹木を3種ピックアップしておきます。
レッドロビン(ベニカナメモチ)、プリペット類、ボックスウッド(セイヨウツゲ)。
レッドロビンは少し前まで生垣の王者でした。しかし、洋風住宅の場合やや違和感があり、人気がやや下降。
従って、和の感覚を残す住宅(外構)用と考えた方が良いでしょう。
プリペット類に関しては、一般的なもの、白斑入りのプリペットシルバー、黄斑入りのプリペットオーレアなども流通するようになり、人気NO1&一押し生垣用樹木となりました。
和・洋に関係なく「迷ったらプリペット」。そう考えても良いでしょう。
一方、ボックスウッドは刈込に極めて強いと言う特有の性質を持っています。
従って、和・洋を問わず幾何学的な生垣には最適の樹木。
ただし、背が高くならないので高さ50㎝以下の生垣と考えるべきでしょう。また、幾何学的なラインを維持するには、かなり手がかかる(刈り込み作業、等)ので、住宅用としての使用率はそれほど高くありません(公園・道路等の公的スペースに多用される)。
なお、レッドロビン、プリペット類、ボックスウッドは生垣用だけでは無く、外構では様々な使い方が出来る非常に便利な樹木。だからぜひ覚えて置いて下さい。
一口アドバイス。
「レッドロビン・プリペット類・ボックスウッド・・・上手く使い分けよう!」
(みずき りょう)
少し前までは生垣の主役「レッドロビン」
生垣の一押し樹木「プリペット」
プリペットシルバー
プリペットオーレア
美しく刈り込まれた「ボックスウッド」
(手前の生垣部分)
ボックスウッドの苗