絶対に植栽が必要な外構とは?
新築外構の場合、植物嫌いでも一定の植栽は行うべし・・・
このような提案を行い、その理由を述べました。
今回からは、「あなたの意思にかかわらず植栽が必要な外構」のお話!
自分の土地だからそんなことは勝手。大多数のエリアではその通りですが、その勝手が許されないこともある事実をご存知でしょうか。
答えを出す前に、少し欧米のお話を。
特にヨーロッパでは、自分の家の敷地を「フロントガーデン」と「プライベートガーデン」に分けて、前者は半公共的スペース、後者は文字通りプライベートスペースと言う考え方がベースとなっています。
つまり、日本でいう外構は完全な個人空間ではないと言う事。
だからこそ、住まいのあるエリアで住民の意思により一定の決まりを設けている事も少なくありません。
例えば、必ずバラを植えようとか。そこまでいかなくても、
地域のルールに従い「フロントガーデン」を美しく整備し、ある程度の植栽をほどこすことは常識となっています。
勿論、「プライベートガーデン」の場合は自由。
残念ながら、日本の場合はこのような常識が通用するエリアは殆どありません。
「プライベートガーデン」同様、外構(フロントガーデン)も自分の勝手。
むしろ、これが常識。残念ながら、住居・ガーデンと言う面ではまだまだ意識が低いと言わざるを得ません。
ただし、住民では無く役所やデベロッパーの意思で、一定の植栽が義務付けられていることがあります。それが「緑化率」の設定です。
本来は自分たちの意思で決めるべき事を、「御上(おかみ)」が決めて従う。
これが日本の現状で、なんとなく情けない気もします。また、上から目線で決められたもので、多くの矛盾も含まれています。
しかし、「緑化率規定」が厳然と存在する事は事実。
だから、新築外構(一部それ以外も含まれるが)の場合、「絶対に植栽が必要」な場合もあると言う事。
では、「緑化率」とは何でしょうか。
それは「指定エリア内では同エリア指定面積以上の植栽がを義務付ける」と言う法的規定(民間指定の地域協定も一部ある)です。
そのおおもとは国の基準にあります。ただし、問題は条例等で定めた市町村の規定と、国の基本緑化規定の内容とに大きな隔たりがある場合が多いと言う現実。
従って、外構・ガーデンのプロを目指す人が、国の「基本的緑化率」を勉強しても、現実の市町村・地域協定規定と差が大きすぎて、全て個別確認しないと対応不可能な状況にあると言う事。バカげた話ですが、それが日本の現状です。
要するに、欧米のような本来の「フロントガーデン」意識が置き去りにされ、お役人等の紋切り型規定に振り回されていると言うのが事実。ただし、内容はどうであれ「緑化率」が定められたエリアでは、あなたの意思にかかわらず守らざるを得ません。
一口アドバイス。
「あなたの意思にかかわらず必要な植栽! それが緑化率指定!」
(みずき りょう)
イギリスのフロントガーデン=半公共空間
「緑化率」に関するパンフレット
「建ぺい率」&「緑化率」資料
「緑化率」資料(立面関係)