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でも、「緑化率」って何でしょうか。一般のお客様には甚だ分かりにくい決まりです。

でも、一応知っておく必要があるもので、少し詳しく説明しておきましょう。

ただし、ごく一部の地域に限定されており無関係の場合が大半。

具体的には、景観保護を重視した地域、同条件に歴史的意味合いが加わった地域、などが主力対象。「風致地区」(都市計画法で定められた特別保護エリア)に指定されている地区とダブっている場合が目立ちます。

住宅の場合は以下3項目が基本。

1:最大で敷地の25%

2:樹木の場合、樹高1〜2.5m以下=1.1㎡、2.5〜4m以下=1.6㎡、4m以上=2.1㎡の面積換算

3:壁面グリーン=同面積の平面換算、平面の草花植栽=実質㎡数・・・以上。要するに、規定の樹木換算㎡+壁面緑化㎡+平面緑化(草花)㎡=緑化面積、と言う事。従って、200㎡の敷地で「緑化率」25%の場合、前記換算で50㎡以上の緑化面積があればOKと言う事。

ところが・ところがです、この知識があっても現実には殆ど役立ちません。

住宅地の場合は、市町村で「緑化率」を設定している場合が大半で、法的にはその地域の条例が直接対象となることが大部分。

そして、「緑化率」計算方法はその条例ごとに大きく異なります(デベロッパー等が定めた民間の地域協定も同じ)。

要するに、「都市緑化法39条」の「緑化率」換算方法と大きく異なると言う事。筆者は法律の専門家ではないので、なぜこのような相違が許されるのかは分かりません。でも事実です。

前項で示した通り、本来は外構(フロントガーデン)に関する構造・デザイン・植栽等の規定は住民の意思で定めるべきでしょう。

ところが、日本人は少なくともこの件に関しては極めて民度が低い。

だからと言う訳ではないでしょうが、結局「御上」が規定(緑化率)を定め不可解な内容になった。これがその実態です。

しかし、不可解なものであろうが無かろうが法律は守らなければなりません。

なお、「緑化率」の対象物件は新築外構限定ではありません。

大型増築・屋外リフォームでも高さ1m以上の土木工事(土留め等)を必要とするものなど、役所への申請を必要とする工事も対象となります。

しかし、極めて稀であるため、新築外構のコーナーで取り上げました。

一口アドバイス。

(みずき りょう)

環境保護の基本理念を示した資料

都市・公園等の緑地法教本

風致地区の規定例

「緑化率」等は担当役所へ個別確認を!

             風致地区の写真(奈良市)

2024/08/16
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