カントリーテイストの外観の建物を新築されたお客様。敷地が比較的広くどうしても外構に持っていける予算は限られている。そんな中で、アメリカンデザインのフェンスと天然木で作ったウッドデッキと目隠しフェンス、及び家事導線を意識した機能性重視の設計の事例です。またこちらの物件では土留を法面で処理しデザイン・コスト両方の面でお得感のある設計としました。
ご提案パース
施工事例
奥様こだわりの「アメリカン」デザインのフェンス。
木製、樹脂木製、樹脂製などなどいろいろあるのですが、今回はコストと耐久性を重視。
三協アルミのララミー1型をセレクト。
なかなか採用されることの少なくなったフェンスですが、建物はアメリカンカントリーをイメージした住宅。
こういった外観デザインの建物とは相性のいい、まだまだニーズのあるフェンスだと思います。
駐車スペースです。
現在は車を1台保有されており、1台分の駐車スペースを優先して作りました。
門柱はアイアンウッド製。将来の2台駐車の際、邪魔にならないよう小さくスリムで。
なおかつ既製品を採用せず、個性的なものを。
ちなみにこの門柱、当店物件ではお馴染みですが、ポストは設置しておりません。
アプローチは至ってシンプル。
奥のアプローチ階段に伸びる導線を素直にとりました。
将来の2台目の自家用車駐車のタイヤが乗る部分としても設定しています。
アプローチ階段に採用したのは当店だけお得にご購入いただけるインド砂岩一枚岩の階段石。グランドカバーのアレンジはお客様の手で。
セダムなんかがあるあたり、将来が楽しみです。
ちなみに駐車スペースの立水栓をどこに配置されるかを最初悩んでおられたので。。。
階段脇のブロックに取り付けしました。
ホース接続をしたまま手洗いにも使用出来る二口蛇口はもはや必需品となりました。
ポストはこちらにあります。
玄関から道路まで距離のあるオープン外構。
新聞や郵便物は誰が普段取るのか。
奥様の場合、家の中から取ることが多いのかそれともお勤め帰りに取る事が多いのか。
それにより、ポストの配置は提案位置を変えるようにしています。
ちなみにこちらのポストはTOEXのエクスポストプレイン。
なぜこの製品をセレクトしたかというと理由があります。
まずはコスト。外観のと比較しても前入れ後ろだしのポストの中では抜群のコストパフォーマンスです。
そして。。。
番号錠が標準で付いています。
オープン外構の場合、ポストの選択肢は広く、本当にいろいろな商品があります。
もちろん見た目のデザインも大切なのですが、都心物件のオープン外構の場合ぜひ検討いただきたいのはここです。
いわゆる鍵式のポストは人間誰しも鍵を掛けるのはめんどくさいと言うのが心情。
しかしながら、鍵を閉めなくなることによって、オープン外構の場合、ご近所の小さなお子さんが開けたり閉めたりを繰り返して開閉箇所が破損してしまうという事例をこれまで何度かお聞きしています。
番号錠やダイヤル錠の場合、その心配はありません。
掛けざるを得ませんから。
この商品をよくセレクトするのはそういった理由があります。さてお庭のほうを見てみましょう。
アイアンウッドの縦格子目隠しフェンスです。
庭部分と駐車スペースに高低差のあるこちらの物件。
構造物での処理もいいのですが、やはり費用面で大きく反映してきます。
今回はカントリーテイストの建物。
芝生のお手入れは少し大変なのですが法面を採用し、ナチュラルな印象を大事にしました。
縦格子のウッドフェンス。
横格子と印象がずいぶんと異なります。
少しだけ施工費用がアップしてしまうのですが、木材の寸法等をそのまま使い加工の手間(=費用)をできる限り少なく、なおかつ
個性的な仕上がりに。
となりとのアメリカンフェンスとのバランスも考えた奥様こだわりのデザインです。
ウッドデッキです。
目隠しフェンス、ウッドデッキ共に高い耐久性を誇るアイアンウッドの1つ、マニルカラ材で作りました。
角をとったのは歩くとき引っかかったりしないように。
こういうちょっとした加工をできるのも天然木の特徴であったりします。
ちょっとした。。。なんていうと職人さんに怒られちゃいますが。
さてここから奥は家事スペースとなります。
まず、もともと立水栓のあるこのスペースはお子様のスニーカーを洗ったりする多機能スペース。
そして勝手口周り。
よく、小さな勝手口のステップを設置する場合が多いのですが勝手口周りのスペースはできる限り広いほうが使い勝手がいいです。
こちらの物件の場合、物干し場としても利用されるのですが、例えば日々の生ゴミ等をポリバケツなどに捨てる場合、階段を降りなくても捨てられる。これは毎日家事をされる奥様にとってかなりの大きな違いになります。
またこのスペースは化粧ブロックで立ち上がりを作り現場で発生する残土を埋め戻しに使って有効利用しました。
これは、早めの外構検討で建築工事で設置される勝手口ステップをなくし、無駄なコストもダウンさせています。
ちょっとしたことですがこういうことも建築計画と外構計画を同時平行すればできるプランなのです。
この駐輪場、普通のカーポート屋根や駐輪場屋根とは少し形状が違います。
逆勾配タイプといわれるサイクルポート。三協アルミのマイリッシュです。
建物側にこういった「カーポート」「サイクルポート」の柱を設置する場合、通常の柱の側に屋根勾配が付いているものだとやはり、特に豪雨時、建物外壁への雨水の跳ね返りなんかが気になるところです。
多少なりとも軽減されるこの逆勾配タイプ。
よくある「激安」のものと比べると割高感はあるのですが一般的な商品とはそこまで価格差がありません。
施工費用は変わらないので、こういう施工をされる場合当店では推奨するようにしています。
でも自転車置き場が砂利って。。。。。
実は当店で開催される全品10円チャリティ端材市の資材でDIYされる予定です。
最後に。
今回、こちらの物件、パースと大きく異なる点があります。
実は土間コンクリート打設の際、天気予報になかった豪雨に見舞われ養生が間に合わず、結果土間コンクリートのコテの仕上がりが決してよいとはいえないものになってしまいました。
お客様は正直なところ、表面上は気にはされていなかったようなのですが、やはり、一定水準以下の仕上がりとなると機能的に問題がなくてもやはり問題です。
こちらから申し入れさせていただく形で、手直しをさせて頂きました。
ただ解体、コンクリート打ち直しとなると、完工時期も遅れますし、粉塵やご近所様の手前のこともあります。
構造体としては問題がなかったので、リフォーム用のスタンプコンクリートを、デザイン的にあまりごてごてしないように、砂岩調の岩目だけのある仕上げとさせて頂きました。
普通のスタンプコンクリートの場合、石張調の柄を押したりするのですが、デザイン的にそこまでうるさくしてしまうのもどうかということで、シンプルに岩肌を入れる仕上げとしました。
手直し工事もあった結果工期的にご迷惑を掛けてしまう結果となってしまい猛反省する現場となってしまいました。。。
しかしながら結果的に外観は雰囲気のいいオープン外構に結果的に仕上がり、施工事例としての掲載も快くご了解してくださいました。。。
ありがとうございました。
コーディネーター,設計,CAD,現場管理 藤田