施工事例

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↑旗竿地 玄関までは 10m(字余り)


大阪界隈でよくある旗竿地。特に既存の土地を分割した土地だとよくみるケースです。予算等の都合でともすれば土間打って~機能門柱立てて~になりがちですが、今回、それとはあまり差異のないご予算でできる洋風モノトーン外観の建物とテイストを合わせた北欧モダンのオープン外構をご紹介します。

玄関までの距離が長い旗竿地の場合外構工事の際問題が勃発することがあります。

①予算について
 通常より結果的に舗装面積が広くなるため残土やコンクリートなど舗装に関する費用が増えてしまいがち。

②門柱について
 接道部分が3m程度の場合が多く、門柱はできる限り邪魔にならないものにしないと駐車ができません。
 ポストの位置も生活をイメージした配置が必要です。

③水勾配について
 通常コンクリート等で舗装をする場合道路に向かって3%程度の水勾配をとるのがセオリーですが、10mともなると道路面より30cmも玄 関で高さが上がってしまうことになります。いくら建築設計前に外構検討が必要とはいえ、設計GL(建物の地盤高さ)を30cmもあげると なるとご近隣や時には地域協定等で怒られることもあり得ます。
 かといって透水性舗装は費用が高い。途中でU字溝等排水処理を行うにも費用が発生する・・・設計時検討が必要です。

④外観について
 ちょっと凝った事をしようするといかんせん距離が長いので、すべてコストに跳ね返ります。
 うまく意匠を検討する必要があります。

⑤植栽問題
 かといって植栽をたくさん植えて演出するという方法もありなのですが、家のそばにある立水栓のホースを伸ばしてともなると、夏の水遣 りが、相当苦痛かと思われます。

ご提案パース

施工写真

今回、門柱は大手メーカーさんの商品を採用しました。
「洋風の街灯のようなイメージ」をお客様が持たれており、背の高い照明器具を設置すると高額になるのですがこの手のデザインの機能門柱は比較的安価で、インターホン取付も当然可能。
省スペースで下手に何かを細工するより機能的でリーズナブルですし、イメージさえ合うのなら大変合理的。
ポストはあえて付けずに、玄関そばへ独立して配置。家からの取り出しやすさという機能面、そしてポストがこの門柱についていると「街灯っぽくなくなる」。

床面はシンプルに土間コンクリート。
正方形のスクエアデザインにこだわりをもたれておられたので、よく使用する樹脂製の伸縮目地を少し数を多く使いました。
砂利目地等にする方法もあるのですがこれだけ砂利目地があるとさすがに駐車スペースに飛び散って大変。

スクエアデザインにすることで、一見「コンクリートだっけ???」と一般の方が見れば思うような印象になりました。

駐車スペース及びアプローチ以外の両端はゴロタ・・・ではなくコブシ大の小栗石で、モダンなイメージ。
よくこのサイズの袋入りのゴロタ石が売られているのですが、これだけ使うととんでもない費用になってしまいます。
それに対してこれはよう壁等の裏の透水層などに使う、土木材料で建材やさんでトラック取りできる材料。
砕石と大きな価格差はありません。

建材やさんにより多少色の違いはあるのですが、そこまで色目に細かいこだわりがないのであればこういった材料を化粧で使えばリーズナブルです。

単純に全面コンクリートを打設するより、ちょっとモダンなテイストに仕上げました。

さて最初に書かせていただいた「GL・水勾配について」。
今回は素直に玄関まで勾配を取っています。
これが建物基礎のところまでいってしまうのえあれば建物基礎と外壁のキワまで土間がくるという問題があるのですが。。。
ポーチのところでいったん止めて、階段でGLで降りるようにしました。

駐車スペースは通常の土間コンクリートと同じ勾配を取っているため、雨水はきちんと道路まで流れます。
今回建物GLが道路から15cm程度上がりというごくごく一般的なGL設定だったので、結果的にポーチ階段が1段で上がれるようになりました。
また念のため、土間コンクリートは左右にも微妙に勾配をつけて「小栗石」面にも雨水を流すようにしています。

U字溝とか諸々の設備工事をなくし、費用を抑えています。

ちなみにこれは建物設計時からお打合せの上のこと。建築工事引渡し時からポーチは1段しかない状態にあえてしてもらっておきました。
ポーチ階段1段目を「埋めてしまう」とか「壊す」とか無駄なことをしていません。

やはりこういったちょっとしたことでも建築設計・契約前に外構を検討しておくことで「工事や材料・費用」の無駄を省くことができます。

旗竿地の外構で特に前面道路が狭い場合(今回もそうでした)、様々な運搬等の経路がこの部分のみとなってしまうため、この手の工事はスピードが問われます(引越やエアコン工事、新しく買った電化製品の搬入経路がすべてここで、前の道路は狭くて車も長時間は置けません)。
左右の小栗石スペースはそういう意味でもお客様の荷物搬入の際も有効。
できる限り施工性が高く慣れた材料を選びレイアウトで魅せるという方法を取り、約7日工程で工事を進め完工まで持っていきました。
ですのでコスト面も一般的なこの坪数の分譲住宅のコストと余り差異がありません。

このお宅には庭スペースがあります。
住んでみないとどうしてもイメージができないということで、今回、「先に前と周りだけあげて生活できる状態にしましょう」ということで、これからお庭スペースのプランニングに入っていきます。

完成が楽しみです。

急ピッチの工事。
鵜木さん、お疲れ様でした。
また引越搬入に完成を間に合わせるため、お客様、住宅会社様にも随分ご協力頂きました。
誠にありがとうございます。

コーディネーター・設計・CAD・現場管理  藤田
施工 やよい園
 

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