施工事例

イメージパース

建物計画前に折り込みチラシをご覧頂きお問合せ頂いたお客様。住宅会社さまでは対応できないといわれた曲線を描くポーチやGL設定等様々な諸条件を前もって打合せを行い素敵なナチュラルテイストの洋風エクステリアに仕上がりました。

今回建築契約前にご相談いただいたこと。
①デザイン面・・・ポーチをデザイン的にR形状にしたい→外構では問題なく可能

②接道部分・・・前面道路は私道だが所有者はこちらのお客様とは異なる方で勝手に何かしらの工事ができない。古い建物のときはブロック塀が接していたため特に問題がなかったが、今回駐車2台を検討するに当たりフロント部分はオープンになりU字溝やL型側溝も集水する枡等も一切ないため、5cm程度道路よりフロント部分をあげて雨が敷地に浸水しないようにしたい
→建物段階の設計ではGL設定が低すぎるため調整が必要

③道路から見て左側のブロック塀が背が高すぎて控壁を作らなければいけないといわれたが邪魔なので避けたい
→既存建物解体の際、上部分を撤去して1.2m以下にしてもらうよう解体工事に依頼すればコストが落とせてスペースも有効活用ができる

といった設計上ある程度建物契約前に検討するべきことをお話し、住宅会社様ともお打合せを進められました。

施工写真

道路右手より。
解体工事の際陥没してしまった道路縁石等は接道部分のピンコロの天端から5cm下がったラインでこれから住宅会社様が補修に入られます。
カーポートは優しいRのラインが特徴の三協アルミ”スマット”。
普段車が駐車されていることが多いこのカーポートの下はシンプルに土間コンクリートのみで仕上げています。

門周りはお客様のこだわりを実現したR形状のアプローチ階段を生かしたデザインとしました。
空間的にもR形状にすることで限られたスペースを有効活用ができ、とても機能的なデザインとなっています。
アプローチの仕上は石英岩の乱張。
ポーチへの目隠しを兼ねて高さを徐々に変えた門柱を兼ねた柱はアイアンウッドで製作。
また玄関扉の開く側には比較的生長の早い常緑性のシマトネリコの木を植え、心理的な目隠し効果とグリーンの演出を兼ねたデザインとしています。

お客様がこだわりをもたれていたアプローチ階段はデザイン的にもかなり細かなこだわりを入れました。
スペースがどうしても限られている都心物件。階段の隙間にグリーンの空間。匍匐性のハーブであるロンギカウリスタイムは常緑性で生育旺盛。もうすぐ暖かくなると紫の花を咲かせます。
今回通常門柱に付けられる照明は階段部分に付けて、スリットの隙間から光をもらすような設計にしました。
暗くなったとき、階段の足元の明るさ確保と門灯としての役割を持たせています。
ナチュラルな空間の雰囲気を生かした船舶ライトは、古美色のものをセレクト。

もう1台の駐車スペースの演出にお客様は”枕木”をご希望。
しかし、もうご存知の方も覆いかと思いますが枕木は腐食や防腐剤の発がん性などリスクの多い商品。
車が載る場所にも敷けるアイアンウッドの枕木サイズというのもあるのですが、高価。

ということで、昨年発売になった東洋工業さんのレイルスリーパーをご紹介。
駐車スペースとこだわりのアプローチ部分を「つなぐ」デザインとしています。

以前の擬木系のコンクリート商品よりかなりリアルにできています。
ところで「これはオープン外構じゃないのか!!!!」と言われそうなのですが、これはあくまでセミクローズ外構なのです。

カーポートのある駐車スペースの奥へ設置した伸縮門扉。
勝手口からの導線を確保しています。
都心物件において縦列に車を駐車するゾーニングはもはや当たり前となりました。縦列駐車に必要な距離は約8m。そのため、敷地を囲うとなるとかなり長距離の伸縮門扉か特注のシャッターゲート・・・なんてことになってしまうのですが、ここは1つ、フロント部分はオープンに、その奥をクローズにする新しい都心型のセミクローズスタイルが増えつつあります。
建物と境界ブロック等の距離はなかなか一定ではない場合が多く、寸法に融通の利きやすい伸縮門扉はとても使い勝手がいいこと、ご存知ですか???
こちらは当店の母体会社「港製器工業」のMR1型。
では逆はどうなっているかというと。。。

こちらには導線を取る必要がないとのことなので掃きだし窓のある庭スペースでウッドフェンスで仕切りました。
さてこちらのご物件、某急行停車駅徒歩圏内という立地ながら、お庭があるのです。
このエリアは第一種低層住宅専用地域。建蔽率が他エリアより少し厳しく設定されているため、素敵なお庭スペースが確保できたのです。
では素敵なお庭スペースへ。

メインのウッドデッキ部分は奥行約3.6mのアウトドアリビング空間。
もう1つのダイニングの掃きだし窓からバリアフリーでこのアウトドアリビング空間へ行けるようにウッドデッキの形状を計画。
既存のブロック塀は同じくアイアンウッドのフェンスで隠し、天然木の素材感に囲まれた素敵な空間になりました。


夜景のライトアップ

夜は建物のポーチライトとマリンライトが格子のデザインを生かした独特の陰影を演出しています。


都心部独特の敷地条件や大阪の古い住宅地独特の道路条件など様々な条件が折り重なった物件。
建築契約・確認申請前の早い段階でのご相談で様々な問題を事前にクリアすることができました(後で出てきた問題も多少ありましたが。。。)。

こちらのご物件のファイルを見てみると初回の作図は昨年の6月。
今年の2月からの着工でしたので約9ヶ月に渡り定期的にご連絡を取り合いながら進めささせていただいたご物件でした。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

コーディネーター/設計/CAD/工事監理   藤田
施工 FEEL FREE GARDEN・株式会社アイシン

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