エクステリアの基礎知識

2つとも最も身近なツツジで、この名前を見ても九州の人たちがが、ツツジの改良で最も大きな貢献をしたことが分かります。勿論、現在も日本最大の供給元です。

ヒラドツツジとは、長崎県の平戸市で改良されたツツジ。ケラマツツジ、モチツツジ、キシツツジなどをベースに品種改良されたもので、多くの園芸種種がそうであるように常緑のツツジです。最大の特色は、樹木、花とも大ぶりであるということ。だからこそ、ツツジ園ではヒラドツツジをベースにしているケースが目立ちます。その他の特色としては、4〜5月に開花、花の色はピンク・白が多く混色もある、本家の平戸の長崎公園では300種以上が植えられている・・・など。ヒラドツツジを語るとき、その歴史の古さも忘れてはなりません。1712年に編纂された「和漢三才図会」にヒラドツツジが登場しているからです。つまり、江戸時代にはすでにツツジの改良が始まり、よりあでやかなツツジを楽しんでいたということ。

園芸種でヒラドツツジと双璧をなすのがクルメツツジです。勿論、福岡県の久留米市とその周辺で改良されたツツジであるため、この名前が付いています。つまり、ツツジを語るとき九州を抜きにはできないということ。クルメツツジは花・樹木ともやや小ぶりなものが多いのが特徴。キリシマツツジをベースにヤマツツジ、ミヤマキリシマ(ツツジ)等を交配したもので、花の色はよりあでやかでバラエティーに富んでいます。それだけに、住宅の庭木として使う場合は、より大きな魅力を持っているといえるかもしれません。

クルメツツジも古い歴史を持っており、江戸時代末期の天保年間(1830年〜1843年)に有馬藩士・坂本元蔵が上記ツツジを交配して作出したといわれています。植物の品種改良と言えば、なんとなく欧米、日本では明治時代以降と言ったイメージを持ってしまいますが、ツツジの歴史を追うだけでも、より古い時代からチャレンジが始まっていたことが分かります。しかも、米などの農産物だけではなく、観賞用の樹木・花等についても古くから挑戦し続けていたということ。たとえ生活は貧しくても、人は絶えず美しものを求め続けるということでしょうか。少し、うれしい気も・・・

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ヒラドツツジ

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2022/09/30
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